NBAオールスターウィークエンド 2022
日本時間2022年2月18日から20日にかけて、オハイオ州クリーブランドのロケット・モーゲージ・フィールドハウスで開催されたNBAオールスターウィークエンドは、NBA創立75周年の節目として盛大に行われた。
本戦のオールスターゲーム以外にも、数々の競技が行われ会場やファンを盛り上げた。そんなオールスターウィークエンドで行われた競技の結果をまとめてみた。
セレブリティゲーム
2022年2月18日 (金) にまず最初に行われたのは、ヘッドコーチにNBAレジェンドのビル・ウォルトンとドミニク・ウィルキンスが務め、有名な芸能人やアーティスト、プロアスリートなどが「チーム・ウォルトン」と「チーム・ニーク」に分かれ対戦したセレブリティゲーム。
毎年行われるもあまり注目はされないセレブリティゲームだが、今回強烈なインパクトを残したのはNFLで地元クリーブランド・ブラウンズに所属するマイルズ・ギャレットであった。193cm、123kgの巨漢からは想像もできな身体能力で豪快なダンクを連発し会場を沸かせた。試合はチーム・ウォルトンが65-51でチーム・ニークを下し、ペロトン・インストラクターであるアレックス・トゥーサンがMVP受賞した。
■セレブリティゲーム ハイライト
NBA HBCUクラシック
2022年2月19日(土)に行われたNBA HBCUクラシックでは、HBCUコミュニティーを盛り上げ、次世代のリーダーたちを支援する目的で開催され、記念すべき第1回NBA HBCUクラシックはミッドイースタン・アスレチック・カンファレンスに所属する、ハワード大学とモーガン州立大学のカレッジバスケットボールの試合がマッチメイクされ、試合は一進一退の展開となりの攻防を繰り広げ、試合の残り30.9秒で65-65の同点で迎え最終的に68-66でハワード大学が勝利を収めた。
NBAとAT&Tはそれぞれのチームに10万ドルを寄付され、ここから将来のNBAスターが生まれることに期待が掛かる。
■NBA HBCUクラシック ハイライト
ライジング・スターズ・チャレンジ
22年2月19日(土)に行われたライジング・スターズ・チャレンジは、1年目と2年目選手によるオールスターゲームで、2021年までは海外籍の「ワールドチーム」とアメリカ国籍の「USAチーム」に分かれての対戦だったが、今年からNBAでプレイする1年目と2年目の選手12名に加えって、新たに下部組織Gリーグのチーム「Gリーグ・イグナイト(大学バスケットボールの代替として高校卒業した選手など将来有望なトップクラスの若者選手を育成する機関)」の選手4名が選出され、リーグ創設75周年記念チームのメンバーであるリック・バリー、ギャリー・ペイトン、アイザイア・トーマス、ジェームズ・ウォージーによるドラフトで4チームに振り分けられ、3試合が行われた。
試合はいずれも制限時間のない「ファイナル・ターゲットスコア制」を採用し、第1試合と第2試合は50得点に到達したチームの勝利、決勝戦は25得点に到達したチームの勝利となる。
1試合目ではチーム・アイザイアはメンフィス・グリズリーズのデズモンド・ベインがフリースローを沈め50-49でチーム・ウォージーに勝利。2試合目ではヒューストン・ロケッツのジェイショーン・テイトがドライブから決勝点を決め、チーム・バリーがチーム・ペイトンを50-48で下し、どちらもワンゴール差での決着となるクロスゲームをなった。
チーム・アイザイアとチーム・バリーの対戦となった決勝戦は、序盤から両者譲らない展開となったが試合終盤に2021年NBAドラフト全体1位でデトロイト・ピストンズに所属するケイド・カニングハムが攻守で活躍。21-20と1点リードの場面で、3Pシュートを沈め24-20と試合終了まであと1点まで迫ると、その後のチーム・アイザイアのサディック・ベイの3Pが外れると、カニングハムがスティール。チーム・アイザイアからファウルされたフランツ・バグナーがフリースローを決めて25点に達し決着した。
決勝戦で逆転の立役者となり5得点、2リバウンド、3アシストを記録したケイド・カニングハムがMVPを受賞し、新フォーマットでの開催となったライジング・スターズ・チャレンジは例年にない盛り上がりをみせ幕を閉じた。
■ゲームスコア
第1試合:チーム・ウォージー 49-50 チーム・アイザイア
第2試合:チーム・ペイトン 48-50 チーム・ バリー
決 勝 :チーム・バリー 25-20 チーム・アイザイア
■ライジング・スターズ・チャレンジ ハイライト
CLOROXクラッチチャレンジ
ライジング・スターズ・チャレンジの決勝戦の前に、今年初めて導入されたCLOROXクラッチチャレンジが行われた。
CLOROXクラッチチャレンジは、NBA選手とNBA Gリーグ・イグナイト選手の合計8名が2人1組となって行う時間制のシュート競技で、2選手でひとつのボールで指定された5か所から好きな順番で交互にシュートを打ちすべてを一番早く決めたチームが勝者となる。
最初にチャレンジするチームの制限時間は1分30秒で、そのチームの終了タイムが次のチームの制限時間となる。そして、指定された5か所はNBAプレイオフの歴史で象徴的なショットにちなんだスポットが選ばれていた。
結果は3番目に登場したタイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)とデズモンド・ベイン(メンフィス・グリズリーズ)のコンビが39.1秒で優勝した。
■クラッチチャレンジ 各チーム結果
チーム1:エバン・モーブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)&ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー):49.7秒
チーム2:ジェイデン・ハーディー&マイケル・フォスターJr(ともにGリーグ・イグナイト):時間切れ
チーム3:タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)&デズモンド・ベイン(メンフィス・グリズリーズ):39.1秒
チーム4:スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)&タイリース・マクシー(フィラデルフィア・76ers) :時間切れ
■CLOROXクラッチチャレンジ ハイライト
タコベル・スキルチャレンジ
2月20日(日)に行われたタコベル・スキルチャレンジは、チーム・キャブズ(ジャレット・アレン、ダリアス・ガーランド、エバン・モーブリー)と、アデトクンボ兄弟(ミルウォーキー・バックスのヤニスとサナシス、ラプターズ905のアレックス)の「チーム・アデトクンボ」、NBAルーキー(トロント・ラプターズのスコッティー・バーンズ、デトロイト・ピストンズのケイド・カニングハム、オクラホマシティ・サンダーのジョシュ・ギディー)の「チーム・ルーキー」の3チームによる対戦となった。
これまでは、パス、ドリブル、シューティングの技術とスピードを競う競技であったが、今回新フォーマットとなったスキルズチャレンジは、シュート、パス、ドリブルの技を競う最初の3ラウンドを終えた時点で上位の2チームが最終ラウンドに進出。ハーフコートからのショットを競う第4ラウンドで優勝を争う形式となった。
第1ラウンドは、それぞれポイントが異なる5つのスポットからシュートを放ち、制限時間内での合計ポイントを競う。シュートするスポットは選択でき、それぞれ成功時のポイントが異なる。最後に登場したチーム・キャブズが最多の44ポイントを記録し、ラウンドを制して100ポイントを獲得した。
第2ラウンドは2、4、6ポイントに設定された3つの的にパスを通すチャレンジで、3選手が同時に挑みポジションを入れ替わりながら各スポットから的を狙う。このラウンドはチーム・アデトクンボが制し、100ポイントを獲得した。
第3ラウンドはパス、ドリブル、様々なシュートが組み込まれたコースを3選手がリレーする。最初に挑戦したチーム・ルーキーが1分18秒5でフィニッシュ。残る2チームはこの時間内にフィニッシュできず、チーム・ルーキーがラウンド制覇で200ポイントを獲得。第4ラウンド進出を果たした。
チーム・アデトクンボとチーム・キャブズが100ポイントずつで並んだため、もうひとつの第4ラウンド進出チームを決めるため、代表選手がトップからの3Pにチャレンジ。サナシス・アデトクンボが失敗したのに対し、ガーランドは1本目で成功させ、チーム・キャブズの勝利となった。
最終の第4ラウンドは、3選手がそれぞれハーフコートからシュートし、最初に成功させたタイムを競う。先に挑んだチーム・ルーキーは、カニングハムが9.9秒で成功。だが、チーム・キャブズはモーブリーが1投目で見事に成功させ、5.5秒でスキルズチャレンジ優勝を果たした。
■スキルズ・チャレンジ結果
予選ラウンド
1位 チーム・ルークス
スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)
ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)
ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)
2位 チーム・キャブス
エバン・モーブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)
ジャレット・アレン(クリーブランド・キャバリアーズ)
ダリアス・ガーランド(クリーブランド・キャバリアーズ)
3位 チーム・アデトクンボ
ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
タナシス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
アレックス・アデトクンボ(Gリーグ、ラプターズ905)
決勝ラウンド(ハーフコートショット)
1位 チーム・キャブス 5.5秒
2位 チーム・ルークス 9.9秒
■タコベル・スキルチャレンジ ハイライト
マウンテンデュー・3ポイントコンテスト
日本時間2月20日(日)に行われたマウンテンデュー・3ポイントコンテストは、持ち時間70秒の間に3Pラインのトップと左右のウイング、そしてエンドラインと「マウンテンデュー・ゾーン」の各2箇所を合わせ、合計7箇所のラックから3Pシュートを放って決めた得点の合計点を競う。
今年のコンテストに出場したのは、カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、ルーク・ケナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)、パティー・ミルズ(ブルックリン・ネッツ)、CJ・マッカラム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)、デズモンド・ベイン(メンフィス・グリズリーズ)、フレッド・バンブリート(トロント・ラプターズ)、ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)の8選手。コンテストは2ラウンド勝ち抜き制で、1回戦の上位3人が決勝ラウンドに進む。
ファーストラウンドは、3番手で登場したルーク・ケナードが28得点、6番手のカール・アンソニー・タウンズと、最後に登場したトレイ・ヤングが22得点を記録し、この3人が決勝ラウンドに進出した。
決勝ラウンドでは、1番手のカール・アンソニー・タウンズがウィングのラックを5本すべて、マネーラックでは5本中4本、さらには緑色の「3-Ball(3点)」も沈め、3Pコンテストの決勝ラウンド史上最多記録となる29得点をマーク。続くトレイ・ヤングは、「3-Ball」1つとマネーボールを4本決めて食い下がったが、出だしのミスが響いて26得点。3番手のルーク・ケナードもマネーボールを4本沈めて26得点を記録するもタウンズの得点には届かず。カール・アンソニー・タウンズがセンターポジションの選手として史上初の3Pコンテスト王者となった。
■3ポイントコンテスト結果
予選ラウンド
1位 28得点 ルーク・ケナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)
2位 22得点 カール-アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
2位 22得点 トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)
4位 21得点 パティー・ミルズ(ブルックリン・ネッツ)
5位 19得点 CJ・マッカラム(ニューオリンズ・ペリカンズ)
6位 18得点 デズモンド・ベイン(メンフィス・グリズリーズ)
7位 16得点 フレッド・バンブリート(トロント・ラプターズ)
8位 14得点 ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)
決勝ラウンド
1位 29得点 カール-アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
2位 26得点 ルーク・ケナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)
2位 26得点 トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)
■マウンテンデュー・3ポイントコンテスト ハイライト
AT&Tスラムダンクコンテスト
日本時間2月20日(日)に行われたダンクコンテストには、オビ・トッピン(ニューヨーク・ニックス)、コール・アンソニー(オーランド・マジック)、フアン・トスカーノ・アンダーソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ)の4選手が出場。
1本目はコール・アンソニーがNBA選手だった父のグレッグ・アンソニーのニックスのジャージーを着て登場。さらに父親の革靴を履きボールを持たせてゴール下に立たせ、空中でそのボールをキャッチしウィンドミルダンクを決め40点をマーク。続くフアン・トスカーノ・アンダーソンは審査員のジュリアス・アービングにボールにサインをしてもらい、チームメイトのアンドリュー・ウィギンズ(201cm)を飛び越えてのウィンドミルダンクを叩き込み44得点を獲得。3番手のオビ・トッピンは人を飛び越えてからボールを背後で持ち替えてのダンクを成功させ44得点を記録。最後のジェイレン・グリーンはパートナーがボードサイドで浮かせたボールをボールを空中でキャッチしてのウィンドミルダンクを決めるも平凡なダンクとなり38点とここまでで最低点を記録してしまう。
続く2本目は、ジェイレン・グリーンが背面の360°レッグスルーダンクを決め45得点をマーク。コール・アンソニーは自らトスしたボールをキャッチした360°ダンクをトライするも成功できず30得点。フアン・トスカーノ・アンダーソンはフロントスピンの360°ウィンドミルダンクを披露し43得点を記録。最後のオビ・トッピンはボードに当てたボールをキャッチし、レッグスルーからボースハンドバックダンクを決めたが思うように得点が伸びす46得点をマーク。2本の合計得点で87点を記録したフアン・トスカーノ・アンダーソンと、90点を記録したオビ・トッピンが決勝に進んだ。
決勝戦1本目はフアン・トスカーノ・アンダーソンが肘をリングに入れるウィンドミルダンクを狙ったが思ったように決まらず39点。オビ・トッピンはレッグスルーからボードにボールを当ててからのダンクを狙ったが2回失敗し、3回目はバックボードに当てたボールをキャッチしたレッグスルーダンクを決め45得点を記録。
2本目のフアン・トスカーノ・アンダーソンはウォリアーズの元ダンクチャンピオンであるジェイソン・リチャードソンのジャージを着て登場し、かつてジェイソン・リチャードソンが優勝したダンクの再現を試みたが成功させることができず30得点。続くオビ・トッピンは最初に披露しようとしたレッグスルーからバックボードにボールを当ててからのダンクを成功させ47得点をマークし見事に優勝を勝ち取った。
全体的に失敗が多く目新しさもなく、ダンクコンテストとしては50点満点のダンクがでなかったことで「過去最悪の盛り上がり」と酷評される結果となってしまった。
■スラムダンク・コンテスト結果
予選ラウンド
1位 90得点 オビ・トッピン(ニューヨーク・ニックス)
2位 87得点 フアン・トスカーノ-アンダーソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
3位 83得点 ジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ)
4位 70得点 コール・アンソニー(オーランド・マジック)
決勝ラウンド
1位 92得点 オビ・トッピン(ニューヨーク・ニックス)
2位 69得点 フアン・トスカーノ-アンダーソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
■AT&Tスラムダンクコンテスト ハイライト
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