各チーム、Bリーグ10年間のロスター変化とシーズンサマリーまとめ


2026-27シーズンからの「Bプレミア」移行を前に、Bリーグ最初の10年間の歴史を各クラブごとに振り返る本企画。

今回は、悲願のBリーグ初制覇を果たし、名実ともにリーグの頂点に君臨した「琉球ゴールデンキングス」の後編だ。

bjリーグの王者としてB1に参入した前半5年間は、強豪の壁にぶつかりながらも「沖縄アリーナ」という最高峰の舞台を手に入れ、強固なディフェンスとリバウンドというアイデンティティを確立する期間であった。そして迎えた後半。名将・桶谷大ヘッドコーチの復帰と共に、琉球は「西の強豪」から「日本の絶対王者」へと羽ばたくこととなる。歓喜と涙、そして血の入れ替えを伴う激動のロスターと歩みを紐解いていこう。

2016-17シーズンの開幕から2020-21シーズンまでの前半の記事はこちら。



2021-22シーズン

成績:49勝7敗(勝率.875)/西地区1位 ※CS準優勝・天皇杯ベスト4

ヘッドコーチ:桶谷 大


ロスター詳細

No 選手名 身長/体重 前所属先 備考
3並里 成172cm/72kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
4コー・フリッピン188cm/75kg千葉ジェッツ新加入
7アレン・ダーラム198cm/100kg新潟アルビレックスBB新加入
9渡邉 飛勇207cm/106kgカリフォルニア大学デービス校新加入
13ドウェイン・エバンス201cm/104kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
14岸本 隆一176cm/75kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
24田代 直希188cm/85kg琉球ゴールデンキングス(継続)キャプテン / 11月に大怪我で離脱
30今村 佳太191cm/92kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
32満原 優樹198cm/110kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
34小野寺 祥太183cm/84kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
45ジャック・クーリー206cm/112kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
88牧 隼利188cm/88kg琉球ゴールデンキングス(継続)-

■シーズンサマリー

bjリーグ時代にチームを優勝に導いた桶谷大HCが9季ぶりに帰還。機動力と爆発力をもたらすコー・フリッピンや、インサイドの要となるアレン・ダーラムを新たに迎え、チームは圧倒的なフィジカルと堅守を武器にリーグを席巻した。11月にキャプテンの田代直希が大怪我でシーズンアウトするアクシデントに見舞われたものの、チームは逆に結束。リーグ新記録(当時)となる20連勝を達成し、勝率.875という圧倒的な成績で西地区優勝を果たした。

勢いそのままにチャンピオンシップ(CS)でも勝ち上がり、クラブ史上初となるBリーグファイナルへ進出。しかし、東京体育館で行われたファイナルでは、宇都宮ブレックスの執念の前にストレート負けを喫し、あと一歩のところで涙を呑んだ。この悔しさが、翌年の完全優勝への巨大な原動力となる。




2022-23シーズン

成績:48勝12敗(勝率.800)/西地区1位 ※CS優勝(Bリーグ初制覇)

ヘッドコーチ:桶谷 大


ロスター詳細

No 選手名 身長/体重 前所属先 備考
1ジョシュ・ダンカン205cm/111kg千葉ジェッツ新加入
4コー・フリッピン188cm/75kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
7アレン・ダーラム198cm/100kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
8植松 義也190cm/90kgライジングゼファー福岡練習生から選手契約
9渡邉 飛勇207cm/106kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
14岸本 隆一176cm/75kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
15松脇 圭志185cm/88kg三遠ネオフェニックス新加入
24田代 直希188cm/85kg琉球ゴールデンキングス(継続)キャプテン / 怪我から復帰
30今村 佳太191cm/92kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
33カール・タマヨ202cm/97kgフィリピン大学シーズン途中加入(アジア特別枠)
34小野寺 祥太183cm/84kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
42ジェイ・ワシントン200cm/98kgPBA(フィリピン)新加入 / シーズン途中で契約解除
45ジャック・クーリー206cm/112kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
88牧 隼利188cm/88kg琉球ゴールデンキングス(継続)-

■シーズンサマリー

「団結の力」をスローガンに、前年の雪辱を誓ってスタートしたシーズン。長年チームを支えたファンタジスタ・並里成や満原優樹らが退団したものの、千葉Jから献身的なビッグマンのジョシュ・ダンカン、三遠から3&Dの松脇圭志を獲得。シーズン中にはアジア特別枠の入れ替え(ワシントン退団、タマヨ加入)を行い、盤石の布陣を完成させた。

怪我から復帰した田代、日本のエースへと成長した今村、そして圧倒的ゴール下を支配するクーリーとダーラムらによる、隙のないバスケットを展開。48勝12敗で西地区連覇を果たすと、CSでは名古屋D、横浜BCといった難敵を撃破して2年連続のファイナルへ。横浜アリーナで行われた頂上決戦の相手は、レギュラーシーズン歴代最高勝率を叩き出した千葉ジェッツ。しかし琉球は、持ち前のハードワークとリバウンドで千葉を圧倒し、2連勝で悲願のBリーグ初優勝を達成。「沖縄のシンボル」が名実ともに日本一のクラブとなった歴史的シーズンであった。




2023-24シーズン

成績:41勝19敗(勝率.683)/西地区2位 ※CS準優勝・EASLグループリーグ敗退

ヘッドコーチ:桶谷 大


ロスター詳細

No 選手名 身長/体重 前所属先 備考
4ヴィック・ロー201cm/94kg千葉ジェッツ新加入
7アレン・ダーラム198cm/100kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
8植松 義也190cm/90kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
9渡邉 飛勇207cm/106kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
10荒川 颯182cm/78kgレバンガ北海道期限付き移籍
14岸本 隆一176cm/75kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
15松脇 圭志185cm/88kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
24田代 直希188cm/85kg琉球ゴールデンキングス(継続)キャプテン
30今村 佳太191cm/92kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
33カール・タマヨ202cm/97kg琉球ゴールデンキングス(継続)シーズン途中で退団
34小野寺 祥太183cm/84kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
45ジャック・クーリー206cm/112kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
50脇 真大193cm/86kg白鷗大学特別指定選手
53アレックス・カーク211cm/114kgアルバルク東京新加入(帰化選手)
88牧 隼利188cm/88kg琉球ゴールデンキングス(継続)-

■シーズンサマリー

「連覇」という巨大なプレッシャーに挑んだシーズン。コー・フリッピン、ダンカンらがチームを去った一方、リーグ屈指の万能フォワードであるヴィック・ロー、そして帰化枠として大黒柱のアレックス・カークを獲得。シーズン中にはレバンガ北海道から荒川颯を期限付き移籍で迎え入れるなど、前年度を上回る分厚いロスターを形成した。

EASL(東アジアスーパーリーグ)への参戦もあり、過密日程と主力の怪我に苦しんだレギュラーシーズン。名古屋ダイヤモンドドルフィンズに競り負けて西地区優勝こそ逃したものの、強靭な勝者のメンタリティでCSを勝ち上がり、3年連続でファイナルへ進出する。しかし、ワイルドカードから奇跡の快進撃を続けてきた広島ドラゴンフライズの勢いと高いシュート精度の前に1勝2敗で屈し、惜しくも連覇の夢は絶たれた。


2024-25シーズン

成績:46勝14敗(勝率.767)/西地区1位 ※CS準優勝・天皇杯優勝・EASL4位

ヘッドコーチ:桶谷 大


ロスター詳細

No 選手名 身長/体重 前所属先 備考
3伊藤 達哉173cm/72kg名古屋ダイヤモンドドルフィンズ新加入
4ヴィック・ロー201cm/94kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
8植松 義也190cm/90kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
10荒川 颯182cm/78kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
12ケヴェ・アルマ206cm/107kg蔚山モービスフィバス(韓国)新加入
14岸本 隆一176cm/75kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
15松脇 圭志185cm/90kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
17崎濱 秀斗178cm/84kg福岡第一高校(渡米中)特別指定選手 / シーズン途中加入(3月)
18脇 真大193cm/86kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
27ウィタカ ケンタ202cm/106kg鹿児島レブナイズ練習生からシーズン途中加入(3月)
34小野寺 祥太183cm/84kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
45ジャック・クーリー206cm/112kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
47平良 彰吾170cm/72kg横浜エクセレンス期限付き移籍(シーズン途中加入、10月)
53アレックス・カーク211cm/114kg琉球ゴールデンキングス(継続)-

■シーズンサマリー

田代直希、今村佳太、渡邉飛勇、アレン・ダーラム、牧隼利ら在籍の長かった主力が入れ替わった刷新のシーズン。名古屋Dから司令塔の伊藤達哉、韓国リーグから大型フォワードのケヴェ・アルマを新たに獲得し、シーズン中にも日本代表候補の崎濱秀斗を特別指定選手として、練習生だったウィタカケンタと契約、さらに横浜EXから平良彰吾を期限付き移籍で迎えるなど、層の厚いロスターを構築した。

46勝14敗で4シーズン連続の西地区優勝を果たすと、チャンピオンシップでも勝ち上がり、4年連続でファイナルへ進出。宿敵・宇都宮ブレックスとの頂上決戦は、第1戦を落とすも第2戦を奪い返して王手をかけ返す接戦となった。しかし第3戦は終盤に比江島慎の3ポイントシュートなどで逆転を許し73-71で惜敗し、2シーズンぶりの完全優勝はならなかった。

一方、3月に行われた天皇杯では悲願の初優勝を達成。決勝でアルバルク東京を60-49で下し、沖縄県勢として初となる全日本選手権のタイトルを掴んだ。東アジアスーパーリーグ(EASL)では準決勝で桃園パウイアンパイロッツに敗れ、3位決定戦でもニュータイペイキングスに競り負けて4位。シーズンアワードでは、ヴィック・ローがベストファイブに、ルーキーの脇真大が新人賞に選出されている。



2025-26シーズン

成績:42勝18敗(勝率.700)/西地区3位 ※CS準優勝・天皇杯ベスト8・EASL3位

ヘッドコーチ:桶谷 大


ロスター詳細

No 選手名 身長/体重 前所属先 備考
2小針 幸也172cm/72kg長崎ヴェルカ(前季は川崎へ期限付き移籍)新加入
4ヴィック・ロー201cm/94kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
8佐土原 遼192cm/97kgファイティングイーグルス名古屋新加入
10荒川 颯182cm/78kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
12ケヴェ・アルマ206cm/107kg琉球ゴールデンキングス(継続)10月に契約解除・退団
14岸本 隆一176cm/75kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
15松脇 圭志185cm/90kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
17崎濱 秀斗178cm/84kg琉球ゴールデンキングス(継続)特別指定選手
18脇 真大193cm/86kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
27ウィタカ ケンタ202cm/106kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
30平良 宗龍183cm/81kg開志国際高等学校(キングスU18出身)新加入(U22枠)
34小野寺 祥太183cm/84kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
45ジャック・クーリー206cm/112kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
47平良 彰吾170cm/72kg横浜エクセレンス(期限付き移籍から正式契約)新加入
53アレックス・カーク211cm/114kg琉球ゴールデンキングス(継続)-
77佐取 龍之介187cm/-琉球ゴールデンキングスU18新加入(U22枠)
21デイミアン・ドットソン196cm/95kgヒューストン大学(NBA経験あり)シーズン途中加入(12月、アルマ退団後の補強)

■シーズンサマリー

桶谷大HC体制、最後のシーズンとなった2025-26。伊藤達哉、植松義也が退団した一方、ファイティングイーグルス名古屋から佐土原遼、長崎ヴェルカから小針幸也を獲得。さらにU22枠制度を初めて活用し、生え抜きの平良宗龍と佐取龍之介をプロ契約に、期限付き移籍中だった平良彰吾も正式契約を結ぶなど、新リーグ「B.PREMIER」移行前、最後のB1シーズンに分厚いロスターで臨んだ。

しかしシーズン中の10月、ケヴェ・アルマが個人的事情により契約解除。緊急補強としてチームOBのアンドリュー・ランダルを短期契約するも3週間ほどでチームを離れ、12月にはNBA経験を持つデイミアン・ドットソンを新たに獲得するなど、外国籍選手の入れ替えに追われるシーズンとなった。天皇杯でも連覇はならず、ベスト8で敗退した。

それでも42勝18敗で西地区3位となり、9大会連続9回目となるチャンピオンシップ進出を決定。東アジアスーパーリーグ(EASL)では過去最高となる3位でフィニッシュした。チャンピオンシップではシーホース三河、名古屋ダイヤモンドドルフィンズを撃破し、5年連続でファイナルへ進出。長崎ヴェルカとの一戦は第1戦を制するも、第2戦以降は長崎の堅守に屈し、1勝2敗で3年連続の準優勝に終わった。長崎ヴェルカがクラブ創設5年目でB1初優勝を果たす歴史的シーズンの立会人となる形で、B1リーグとしての歴史に幕を閉じた。

シーズン終了後、5シーズンにわたってチームを黄金期へ導いた桶谷大HCが勇退し、バスケットボール男子日本代表のヘッドコーチに就任することが発表された。また、キングス一筋14シーズン、"ミスターキングス"として親しまれた岸本隆一も退団し、黄金期を築いたコアメンバーの世代交代が本格化することとなった。




■ 2021-22〜2025-26シーズン 琉球ゴールデンキングス 栄光の軌跡 総括


前半5年間で味わった「あと一歩」の悔しさと、それをバネに構築したディフェンス力。桶谷大HC体制の5年間は、その土台が結実した「黄金期」であったと言える。

復帰1年目からリーグ新記録の20連勝と2年連続でのファイナル進出を果たすと、2022-23シーズンには念願のBリーグ初優勝を達成。以降も西地区のトップを走り続け、5シーズン連続でCSファイナルに勝ち進む前人未到の記録を打ち立てた。2024-25シーズンには沖縄県勢として初の天皇杯優勝も達成し、Bリーグ、天皇杯、EASLの「三冠」にも本気で挑めるクラブへと成長した。特別指定選手や期限付き移籍、U22枠といった制度も柔軟に活用しながら、常に隙のないロスターを編成し続けた事実は、彼らが単なるタレント集団ではなく、確固たるクラブカルチャーと強固な組織力を持ったチームであることを証明している。

2025-26シーズンを最後に桶谷大HCは勇退し、日本代表指揮官へ。B1リーグとしての歴史もこのシーズンで幕を閉じ、2026-27シーズンからは新設の「B.PREMIER」へと舞台を移す。5年連続ファイナル進出のうち優勝は1度のみという「あと一歩」の悔しさを新体制でどう乗り越えるか。次なる黄金期に向けた挑戦が、新リーグで始まる。