懐かしのレジェンド選手やBリーグでプレイした選手も参戦!
バスケットボールの本場アメリカでも、2017年に3人制プロバスケットボールリーグ“BIG3”が誕生し、初年度はアレン・アイバーソンやジェイソン・ウィリアムズなど日本人に馴染みのある元NBAプレイヤーが多く参加しており、もう一度あのスーパースターのプレイが見られるということで大きな話題を集めた。今年7シーズン目を迎えるBIG3は、先日行われたドラフトが終了し各チームロスターが発表されたので、全12チームの主な選手を紹介したいと思う。
3Headed Monsters
スリーヘッデド・モンスターズ
【ロスターメンバー】
ジェフ・ティーグ
マーキス・ティーグ
グレッグ・モンロー
シャクール・ジャストン
ブランドン・モス
【ヘッドコーチ】
ラシャード・ルイス
「3 Headed Monsters」は、BIG3での優勝はまだないものの最も安定しているチームである。2017年と2021年はチャンピオンシップゲームに、2018年と2019年は準決勝に進み、毎シーズンプレイオフへ出場していたが、2023年のシーズン6では、ラシャード・ルイスやレジー・エバンスなど中心メンバーを変えずに挑むも1勝5敗とリーグ11位に沈みプレイオフ進出を逃した。
シーズン7となった2024年はこれまでチームのエースだったラシャード・ルイスがヘッドコーチに就任し、BIG3初参戦のジェフ・ティーグが新たなるエースとしてチームを牽引。弟のマーキスも加え、インサイドにはデトロイト・ピストンズなどでプレイしたグレッグ・モンローを要し、ディフェンス力の高いシャクール・ジュイストンとルーキーのブランドン・モスにも注目である。心機一転ロスターを一新した「3 Headed Monsters」が悲願の初優勝を狙う。
3's Company
スリーズ・カンパニー
【ロスターメンバー】
マリオ・チャーマーズ
マイケル・ビーズリー
レジー・エバンス
ショーン・ウィリアムズ
ナシル・コア
【ヘッドコーチ】
マイケル・クーパー
「3's Company」は、初年度はアレン・アイバーソンが在籍し話題となったものの、勝利には恵まれていないチームである。2018年にレギュラーシーズン5勝3敗で初のプレーオフ進出を果たし、準決勝でスリーヘッデド・モンスターズを破った後、チャンピオンシップでパワーに敗れた以降、下位に沈むシーズンを送っている。2023年は、マリオ・チャルマーズをキャプテンに据え、ブランドン・ラッシュ、マイケル・ビーズリー、ジュリアン・ライトなどほぼ新メンバーで臨んだものの、3勝4敗とリーグ8位に沈んでいる。
2024年はチャルマーズ、ビーズリーの中心メンバーはそのまま、怪我から復帰したリバウンダーのレジー・エバンスが加入。そして身体能力の高いショーン・ウィリアムズ、ルーキーの司令塔ナシル・コアと攻守のバランスの取れたロスターである。チャルマーズのゲームメイク、ビーズリーのオフェンス力、エバンスとウィリアムズのディフェンス力、コアの勢いで久しぶりのプレイオフ進出を目指す。
Aliens
エイリアンズ
【ロスターメンバー】
ポール・ミルサップ
ジョン・ミルサップ
アル・ジェファーソン
ドゥサン・ブルット
アブラハム・ミルサップ
【ヘッドコーチ】
リック・マホーン
「Aliens」は、BIG3参戦3シーズンのチームで、グレッグ・オデン、シャノンン・ブラウン、ブランドン・ラッシュを中心に2021年シーズンを迎えたが、開幕4連敗を喫し2勝4敗でプレイオフ圏外に終わった。2023年はFIBAの公式競技3x3(スリー・エックス・スリー)で世界ランキング1位に君臨していたセルビア代表のドゥサン・ブルトが中心となりチームを牽引するも1勝6敗とリーグ最下位の結果に終わった。
2024年のシーズン7では新たに、アトランタ・ホークスなどでプレイしたポール・ミルサップをキャプテンに迎え、ジョン、アブラハムのミルサップ三兄弟が同じチームでプレイする。さらに昨シーズンまでチームを牽引したドゥサン・ブルトも残留し、インサイドにはパワーと柔軟性を兼ね備えたアル・ジェファーソンを要する。今シーズンはミルサップ三兄弟がBIG3リーグを沸かせるかもしれない。
Ball Hogs
ボール・ホグス
【ロスターメンバー】
リアンドロ・バルボサ
ジョディ・ミークス
ダジュアン・サマーズ
ラリー・サンダース
ルーカス・マリアーノ
【ヘッドコーチ】
リック・バリー
「Ball Hogs」は2017年のBIG3開幕当初から参加しているオリジナルチームである。2021年からリアンドロ・バルボサがチームを牽引し続け、彼のチームといっても過言ではない。しかしながら、リーグ参戦以降プレイオフ進出を逃しているいわばドアマットチームである。昨シーズンは4勝4敗と勝率を5分にしたもののプレイオフ進出には届かず。
2024年はバルボサ、ジョディ・ミークス、ダジュアン・サマーズの中心メンバーは残しつつ、インサイドディフェンスに定評のあるラリー・サンダース、ブラジル代表でのプレイ経験を持ちブラジルリーグのMVPの受賞歴を持つビッグマンのルーカス・マリアーノを加え昨シーズンよりもインサイドをグレードアップさせた。毎シーズンのことながらエースであるリアンドロ・バルボサ以外の選手の活躍次第では初のプレイオフ進出も夢ではない。
Bivouac
ビバーク
【ロスターメンバー】
ジェラルド・グリーン
コーリー・ブリューワー
ガーロン・グリーン
オースティン・デイ
ジェイレン・ジョンソン
【ヘッドコーチ】
ゲイリー・ペイトン
「Bivouac」は、2023年シーズンは2勝5敗と12チーム中10位と低迷。NBA史上屈指のスラムダンカーとして長年活躍していたジェラルド・グリーンを中心に、昨シーズンチームを支えたコーリー・ブリューワーと、ジェラルド・グリーンの弟で2014-15シーズンに熊本熊本ヴォルターズでのプレイ経験のあるガーロン・グリーンが共同キャプテンとして残留。新加入メンバーとしてGリーグで1試合平均10.7得点、6.5リバウンド、2.1アシスト、3Pシュート成功率36%、1ブロックとオールラウンドに活躍ができるジェイレン・ジョンソン、現在台湾リーグのPリーグ+でプレイし、スコアラーとしてチームの中心メンバーとして活躍しているオースティン・デイが加入。
ロスター全体的に身体能力が高いラインナップを要し、アウトサイドショットも得意としている布陣である。2022年からヘッドコーチに就任したゲイリー・ペイトンの手腕にも注目である。
Enemies
エネミーズ
【ロスターメンバー】
ジョーダン・クロフォード
イライジャ・スチュワート
アイザイア・オースティン
クインシー・ミラー
クリス・アレン
【ヘッドコーチ】
ニック・ヤング
「Enemies」は、2023年にヘッドコーチのギルバート・アリーナスが指揮を執り、キャプテンのニック・ヤング、ジョーダン・クロフォード、イライジャ・スチュワートを中心にBIG3初優勝を成し遂げたディフェンディングチャンピオンである。2024年のシーズン7ではこれまでキャプテンとしてプレイし続けたニック・ヤングがヘッドコーチに就任。キャプテンには昨シーズンのエースであったジョーダン・クロフォードが昇格し、シューターとして驚異の得点力を発揮するイライジャ・スチュワート、ビッグマンながら機動力があり攻守でゴール下を支配するアイザイア・オースティン、2023-24シーズン富山グラウジーズでプレイしていたスコアラー、クインシー・ミラーも引き続きプレイする。
ニック・ヤングが抜けた穴には、長年Gリーグでプレイし35歳のベテランガードであるクリス・アレンが新加入。BIG3ではルーキーながら未知数のプレイヤーではあるが、ニック・ヤングが抜けた穴を埋められるかがリーグ連覇の鍵となりそうだ。
Ghost Ballers
ゴースト・ボーラーズ
【ロスターメンバー】
マイク・テイラー
クリス・ジョンソン
ジョナサン・シモンズ
モー・チャーロ
ダーネル・ジャクソン
【ヘッドコーチ】
ジョージ・ガービン
「Ghost Ballers」は、2024年に5勝4敗でリーグ4位の成績でプレイオフ進出を果たし1回戦でリーグ1位のトリプレットに45-50で惜しくも敗れ初優勝とはいかなかったものの、エーススコアラーでありベストとラッシュトーカーを受賞したキャプテンのマイク・テイラー、2021年ブロック王でBIG3屈指のインサイドプレイヤーであるクリス・ジョンソン、高い身体能力で得点にリバウンドにと攻守で安定して活躍するジョナサン・シモンズ、巨体を活かしたパワープレイが持ち味のダーネル・ジャクソンが昨シーズンに引き続きロスター入りしており、今シーズンからルーキーとしてプレイするモー・チャーロが新加入。モー・チャーロはbjリーグ時代の浜松・東三河フェニックス、Bリーグ時代の2016-17シーズンに琉球ゴールデンキングス、京都ハンナリーズでプレイした40歳のベテランウィングプレイヤーである。シーズン6の最優秀ヘッドコーチ賞を受賞したジョージ・ガービンが引き続き指揮を執り、シーズン7のチャンピオンを狙う。
Killer 3's
キラー・スリーズ
【ロスターメンバー】
フランクリン・セッション
ドンテ・グリーン
ジョシュ・パウエル
ドミニク・ジョンソン
ウィリアム・フェルダー
【ヘッドコーチ】
チャールズ・オークリー
「Killer 3's」は、2024年のシーズン5勝3敗でゴースト・ボーラーズと勝率で並ぶも2シーズン連続でリーグ5位となり惜しくもプレイオフ進出を逃した。2021年からキャプテンを務めているフランクリン・セッションがシーズン7でもチームを牽引。さらにチームスコアラーのドンテ・グリーン、インサイドの要ジョシュ・パウエル、海外でのプレイ経験豊富なオフェンシブプレイヤーのドミニク・ジョンソンが引き続きロスターに名を連ねた。そしてオランダリーグなどでプレイしディフェンスに定評のある33歳のルーキー、ウィリアム・フェルダーが新加入した。超スタープレイヤーはいないものの、3シーズンほぼ変わらないメンバーでプレイしており、チームケミストリーはBIG3内でも随一である。2019年にチャンピオンシップゲームへ進出したキラー・スリーズが再びプレイオフ進出なるか注目したい。
Power
パワー
【ロスターメンバー】
グレン・ライスJr.
ロイス・ホワイト
TJ・クライン
デショーン・スティーブンス
マーカス・フォスター
【ヘッドコーチ】
ナンシー・リーバーマン
2018年BIG3チャンピオンである「Power」は、優勝経験者のカッティノ・モブリー、ロイス・ホワイトが長年チームを牽引したがシーズン7ではモブリーがチームを離れた。代わりにチームの得点源であるグレン・ライスJr.が新たにキャプテンに就任し、ロイス・ホワイトが共同キャプテンとして支える形となる。多彩なプレイとハッスル、パス能力で瞬く間にチームの中心選手となったTJ・クラインも引き続きロスターに名を連ねた。2023年シーズンにトライステートでプレイしていた万能プレイヤーであるデショーン・スティーブンスと、2023年のFIBAチャンピオンズリーグ得点王であり、リトアニアリーグでプレイしていたマーカス・フォスターが新加入しチームレベルを上げている。BIG3王座返り咲きを目指すパワーは、カッティノ・モブリーのいない新チームとして新たに生まれ変わろうとしている。
Tri-State
トライステート
【ロスターメンバー】
ジェイソン・リチャードソン
ケビン・マーフィー
アミール・ジョンソン
ヘンリー・シムズ
レイ・ニクソン
【ヘッドコーチ】
ジュリアス・アービング
「Tri-State」は、ジェイソン・リチャードソンを中心に常に強豪チームとしてリーグを牽引するチームである。しかし昨シーズンの2023年は3勝5敗と勝ち星を伸ばすことが出来ずリーグ9位でシーズンを終えた。迎えたシーズン7の2024年は絶対的エースであるキャプテンのジェイソン・リチャードソンが引き続きチームに在籍し、2022年のBIG3 MVPを受賞したケビン・マーフィーがスリーヘッデド・モンスターズからトライステートへ入団。さらにトリロジーでBIG3二連覇に貢献したアミール・ジョンソンが新たに加わり強力な核を手に入れた。さらに滋賀レイクスターズや大塚商会アルファーズなど日本で長年プレイしており、昨シーズンからトライステートでプレイしているレイ・ニクソン、イタリアなど海外でのプレイ経験があり、NBAでも数シーズンぷれいしていたルーキー、ヘンリー・シムズが加わりロスターをほぼ一新している。悲願のリーグ制覇を狙うべくBIG3での経験豊富なプレイヤーと集めたトライステートに注目である。
Trilogy
トリロジー
【ロスターメンバー】
アール・クラーク
アイザイア・ブリスコー
カディ・ラレン
ロスコー・スミス
ジェームズ・ホワイト
【ヘッドコーチ】
スティーブン・ジャクソン
「Trilogy」は、初年度の2017年と2021年、2022年の二連覇と3度王者となったチームで、三連覇を狙った昨シーズンは6勝2敗とリーグ2位でプレイオフへ進むもエネミーズと対戦し37-50で完敗し前人未到の三連覇を逃した。2024年のシーズン7では、アミール・ジョンソン、デビッド・ホーキンスが抜け、新たにカディ・ラレン、ロスコー・スミスが加入。ラレンはDリーグから始まりスペインなどのヨーロッパや韓国などのアジア圏でのプレイ経験を持つ206cmのビッグマンで、2021年にはKBLベスト5に選ばれている。スミスもDリーグでのプレイ後にイスラエル、ギリシャに渡り、その後長らくGリーグでプレイし続けたウィングプレイヤーである。その他、昨シーズンのメンバーでエースであったアール・クラークがキャプテンに就任し、アイザイア・ブリスコーが共同キャプテンとしてチームを牽引する。そして昨シーズンキャプテンを務めたジェームズ・ホワイトが今シーズン限りでの引退を発表。シーズン7でリベンジしホワイトの花道を飾れるか注目である。
Triplets
トリプレット
【ロスターメンバー】
ジョー・ジョンソン
ジェレミー・パーゴ
ジャネロ・パーゴ
ジェフ・エアーズ
ジャマリオ・ムーン
【ヘッドコーチ】
リサ・レスリー
「Triplets」は、2019年に優勝しており今シーズン優勝最有力候補である。昨シーズンはリーグ1位の6勝2敗でプレイオフへ進出し、ゴースト・ボーラーズと対戦し50-45で勝利しチャンピオンシップへ進出。決勝ではエネミーズと対戦し43-50で優勝を逃した。2024年はBIG3を代表するプレイヤーである絶対的エース、ジョー・ジョンソンが今シーズンもチームキャプテンとして牽引し、ジェレミー、ジャネロのパーゴ兄弟も引き続き共同キャプテンとして支える。新加入メンバーとして、ボール・ホグスからインサイドの要でありBリーグでもプレイしていたジェフ・エアーズが加入し、かつてスリー・ヘッデッド・モンスターズでプレイしていたジャマリオ・ムーンも今シーズンから復帰することとなった。12チームの中で最も安定感のあるロスターを引っさげ昨シーズン逃したBIG3チャンピオンの称号を狙う。
全12チームを紹介したが、いよいよ開幕戦の日程と開幕カードが発表された。現地時間の6月15日(日本時間で6月16日)からで開幕戦は昨シーズンのチャンピオンシップの再戦となるエネミーズvsトリプレットという好カード。
ジョージョンソン率いるトリプレットがリベンジをするか、ディフェンディングチャンピオンのエネミーズが返り討ちにするか注目である。第2戦ではポール・ミルサップ率いるエイリアンズvsジェフ・ティーグ率いるスリーヘッデド・モンスターズの元ホークスレジェンド対決があり、開幕戦にふさわしいマッチアップとなっている。
日本ではなかなか見る機会がないので気になる方は「BIG3」の公式YouTubeチャンネルでハイライトなどを視聴することをお勧めします。
■「BIG3」公式YouTubeチャンネル
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