懐かしのレジェンド選手やBリーグでプレイした選手も参戦!
バスケットボールの本場アメリカでも、2017年に3人制プロバスケットボールリーグ“BIG3”が誕生し、初年度はアレン・アイバーソンやジェイソン・ウィリアムズなど日本人に馴染みのある元NBAプレイヤーが多く参加しており、もう一度あのスーパースターのプレイが見られるということで大きな話題を集めた。
今年5シーズン目を迎えるBIG3は、先日行われたドラフトが終了し各チーム最終ロスターが発表されたので、全12チームの主な選手を紹介したいと思う。
3Headed Monsters
スリーヘッデド・モンスターズ
【ロスターメンバー】
ラシャード・ルイス
ジョナサン・シモンズ
マクムード・アブドゥル=ラウーフ
アブドゥライエ・ンドゥイエ
ケビン・マーフィー
【ヘッドコーチ】
レジー・セウス
「3 Headed Monsters」は、2017年と2021年はチャンピオンシップゲームに、2018年と2019年は準決勝に進み、毎シーズンプレーオフへ出場している。2021年は2017年のチャンピオンシップゲームの再戦でTrilogyと対戦し、前半は26-13とリードしたものの最終的に50-45と逆転され悲願の初優勝とはならなかった。
昨シーズンに引き続き、ラシャード・ルイスとマフムード・アブドゥル・ラウフがチームに残留。さらに得点力に長け2015-16シーズンに日立サンロッカーズ(現:サンロッカーズ渋谷)でプレイした経験を持つケビン・マーフィーをチームに残すことに成功した。
インサイドの要で2021年のリバウンド王であるレジー・エバンスは手の怪我の影響で復帰目途が立たないものの、中国リーグでプレイしBIG3初参戦となるスコアリングガードのジョナサン・シモンズと、唯一今回のBIG3ドラフト2巡目12位で指名したフランス出身の若手有望株である24歳のアブドゥライエ・ンドゥイエもチームに加入。
エバンスの離脱は痛手であり、今シーズンのロスターはスモールラインナップだが、5シーズン連続のプレーオフ進出と悲願の初優勝を狙う。
3's Company
スリーズ・カンパニー
【ロスターメンバー】
マリオ・チャルマーズ
マイケル・ビーズリー
ブランドン・ラッシュ
ジュリアン・ライト
アレックス・スケールズ
【ヘッドコーチ】
マイケル・クーパー
「3's Company」は、初年度はアレン・アイバーソンが在籍し話題となったものの、勝利には恵まれていないチームである。2017年の3勝5敗という不本意な結果に終わり、2018年はレギュラーシーズン5勝3敗で初のプレーオフ進出を果たし、準決勝で3 Headed Monstersを破った後、チャンピオンシップでPowerに敗れました。昨年の2021年のシーズンはプレーオフ圏外の2勝4敗に終わった。
2022年は、マリオ・チャルマーズが今シーズンからキャプテンに就任。さらにブランドン・ラッシュがエイリアンから3'sカンパニーに移籍。
そして注目なのが、NBAドラフト2位指名でマイアミ・ヒートなどで活躍したマイケル・ビーズリーがBIG3に初参戦。さらにBIG3ドラフト1巡目5位指名で2019年はパワーで昨シーズンはビバークに所属していたジュリアン・ライトと、2巡目2位指名で2019年から2021年までゴースト・ボーラーズでプレイしていた43歳のベテラン、アレックス・スケールズをロスターに加え、ほぼ新メンバーで2022年のシーズンに臨む。
比較的にバランスの取れたロスターであるため、チャルマーズのゲームメイクとビーズリー、ラッシュといったシューターの活躍が成功の鍵となりそうである。
Aliens
エイリアンズ
【ロスターメンバー】
ドゥサン・ブルト
カーリス・ラスマニス
タマス・イヴォセフ
デショーン・スティーブンス
アダム・ドレクスラー
【ヘッドコーチ】
リック・マホーン
「Aliens」は、BIG3参戦3シーズンのチームで、グレッグ・オデン、シャノンン・ブラウン、ブランドン・ラッシュを中心に2021年シーズンを迎えたが、開幕4連敗を喫し2勝4敗でプレーオフ圏外に終わった。
2022年はメンバーを一新しチーム改革に乗り出した。FIBAの公式競技3x3(スリー・エックス・スリー)で世界ランキング1位に君臨していたセルビア代表のドゥサン・ブルトが新加入しキャプテンに就任。
さらに東京オリンピックで金メダルを獲得しFIBAランキング7位(2022年6月現在)に位置するラトビア代表のカーリス・ラスマニス、3x3でハンガリー代表でプレイするビッグマンのタマス・イヴォセフといった元NBAプレイヤーではないが"本職"の選手を加えた。
BIG3ドラフトで1巡目2位指名をしたbjリーグ時代の浜松・東三河フェニックス、Bリーグで秋田ノーザンハピネッツでプレイしたデショーン・スティーブンスと、2巡目5位指名したクライド・ドレクスラーの息子でり、日本の岩手ビッグブルズでもプレイしたアダム・ドレクスラーいった日本に馴染みのある2選手を加え、過去に類を見ない国際色豊かなチームとして、今シーズンの台風の目となりそうだ。
Ball Hogs
ボール・ホグス
【ロスターメンバー】
リアンドロ・バルボサ
ウィル・マクドナルド
ジョディ・ミークス
ステイシー・デイビスIV
クラン・アイバーソン
【ヘッドコーチ】
リック・バリー
「Ball Hogs」は、2021年に3勝5敗とプレーオフ進出を逃したが、昨シーズン得点ランキング2位、アシストランキング1位のリアンドロ・バルボサがチームに残留しキャプテンに就任。昨シーズンまでキャプテンを務めていたブライアン・スカラブリニは抜けたものの、ジョディ・ミークス、ウィル・マクドナルドは引き続きボール・ホグスでプレイ。
その他にBIG3ドラフトで1巡目4位指名した海外を主戦場とし1試合平均10得点、5リバウンド以上を記録しているステイシー・デイビスIV、2巡目1位指名でニュージーランドのリーグで2018-19シーズン1試合平均17.9得点、10.9リバウンド記録したされたクラン・アイバーソンといったインサイドプレイヤー2選手がBIG3に初参戦。
2017年の初年度から参戦し、未だプレーオフ進出を経験していないボール・ホグスだが、2022年の成功の鍵となるのはバルボサ以外のプレイヤーのプレイ制度になりそうだ。
Bivouac
ビバーク
【ロスターメンバー】
ジェラルド・グリーン
ウィル・バイナム
アイク・ディオグ
ジェフ・エアーズ
コーリー・ブリューワー
【ヘッドコーチ】
ゲイリー・ペイトン
「Bivouac」は、2021年シーズン怪我人に悩まされ、厳しい戦いを強いられた。昨シーズンキャプテンのジョシュ・スミスを失った後、安定したロスターを維持することができず、最終的には1勝もできずにシーズンが終わった。
今シーズン、NBA史上屈指のスラムダンカーとして長年活躍していたジェラルド・グリーンがBIG3に初参戦し、キャプテンに就任。多彩なドリブルワークで相手を翻弄したウィル・バイナムは昨シーズンに続きチームに残留し、チームの中心となることは間違いない。
ナイジェリア代表でNBAでプレイ経験のあるアイク・ディオグ、BIG3ドラフト1巡目8位指名でNBAのサンアントニオ・スパーズで優勝し、昨シーズンBリーグの新潟アルビレックスBBでプレイしたジェフ・エアーズ、2巡目9位指名でミネソタ・ティンバーウルブズやダラス・マーベリックスなどNBAで13シーズンプレイしたコーリー・ブリューワーと、ロスター全員NBAで長年活躍したメンバーで構成された。
昨シーズン3 Headed Monstersをチャンピオンシップゲームへ導いたゲイリー・ペイトンが2022年から新ヘッドコーチに就任。今季の優勝候補筆頭のビバークの逆襲が始まる。
Enemies
エネミーズ
【ロスターメンバー】
ニック・ヤング
イライジャ・スチュワート
アイザイア・オースティン
セック・ヘンリー
キース・ベンソン
【ヘッドコーチ】
ギルバート・アリーナス
「Enemies」は、2022年にスコアリングマシンであるニック・ヤングと新ヘッドコーチのギルバート・アリーナスを擁したが、ヤングは1試合平均5.2得点と期待外れの結果となり、1勝しか挙げられなかった。
昨シーズンに引き続きニック・ヤングが残留しキャプテンに就任。さらにヤングに変わってプレイメーカーとして1試合平均17.2得点を記録しチームを牽引したイライジャ・スチュワート、若く才能溢れるビッグマンのアイザイア・オースティンの2選手が引き続きエネミーズでプレイする。
新加入メンバーとして、BIG3ドラフト1巡目10位指名で2018年のイスラエルリーグMVP受賞したベテランのセック・ヘンリー、2巡目3位指名で2021年にブルガリアリーグで優勝を経験し、2018年に大阪エヴェッサでプレイしていたキース・ベンソンを獲得。
昨シーズンと主力は変わらないロスターで挑む2022年のシーズンは、やはりニック・ヤングの出来にかかってくると予想される。
Ghost Ballers
ゴースト・ボーラーズ
【ロスターメンバー】
リッキー・デイビス
マイク・テイラー
クリス・ジョンソン
ダーネル・ジャクソン
ジャーメイン・テイラー
ジャーメイン・テイラー
【ヘッドコーチ】
ジョージ・ガービン
「Ghost Ballers」は、2021年のシーズンに好調だったマイク・テイラーを怪我で欠き、2019年と同じ4勝4敗の成績で終え惜しくもプレーオフ進出を逃した。
2022年はスコアラーのリッキー・デイビスをキャプテンに任命し、怪我から復帰したマイク・テイラー、2021年ブロック王のクリス・ジョンソンが引き続きチームに残留し、BIG3ドラフト1巡目3位指名で昨シーズンPowerでプレイし1試合平均7.2得点、4.3リバウンド、FG成功率53.1%を記録したダーネル・ジャクソン、2巡目11位指名で2019年のシーズンでアキレス腱断裂の大怪我から復帰したジャーメイン・テイラーのBIG3経験者2選手を新たに加えた。
今シーズンは、誰一人怪我無くプレイすることができればプレーオフ進出を目指せるロスターが揃ったといえるであろう。
Killer 3's
キラー・スリーズ
【ロスターメンバー】
フランクリン・セッション
ドンテ・グリーン
ジョシュ・パウエル
KJ・マクダニエルズ
ドミニク・ジョンソン
【ヘッドコーチ】
チャールズ・オークリー
「Killer 3's」は、2021年のシーズン開幕2連敗を喫したがドンテ・グリーンが1試合平均20.8得点、7.3リバウンドを記録し、その後の6試合中5試合に勝利しリーグ5位の5勝3敗でシーズンを終え、プレーオフ進出を逃した。
2021年に続いてフランクリン・セッションがキャプテンに就任し、得点ランキング3位のドンテ・グリーン、インサイドの要ジョシュ・パウエルの3選手が残留。
BIG3ドラフトの1巡目9位指名で、ヨーロッパ、メキシコ、イスラエルなど海外で優勝経験をした34歳のドミニク・ジョンソン、2巡目8位指名で210cmのウィングスパンでディフェンスに定評があり29歳と全盛期のKJ・マクダニエルズを獲得。
2019年にチャンピオンシップゲームへ進出したキラー・スリーズを再びプレーオフ進出を目指せるかはチームケミストリーと、ヘッドコーチのチャールズ・オークリーの手腕にかかっている。
Power
パワー
【ロスターメンバー】
カッティノ・モブリー
ニコロス・ツキティシュビリ
ロイス・ホワイト
グレン・ライスJr.
T・J・クライン
【ヘッドコーチ】
ナンシー・リーバーマン
2018年BIG3チャンピオンである「Power」は、2021年シーズン、新加入したデュサン・ブルトが1試合平均19.2得点を記録しチームを牽引したものの、4勝4敗のリーグ6位でプレーオフ進出を逃してシーズンを終えた。
今シーズンも優勝経験者のカッティノ・モブリー、ロイス・ホワイトが引き続き残留し、新戦力で2015年にリンク栃木ブレックス(現:宇都宮ブレックス)で10試合だけプレイしたジョージア出身のニコロス・ツキティシュビリがBIG3初参戦。
さらにBIG3ドラフト1巡目1位指名されたイスラエルリーグなどで非凡なスコアリング能力で活躍したグレン・ライスJr.、2巡目5位指名で現在イスラエル代表で活躍し、パワーのヘッドコーチであるナンシー・リーバーマンの息子であるT・J・クラインを指名。
4シーズンぶりのBIG3王座返り咲きを目指すパワーは、モブリー、ホワイトの経験と新戦力の3選手とのケミストリーがどのようなシナジーを生むのか注目である。
Tri-State
トライステート
【ロスターメンバー】
ジェイソン・リチャードソン
ジャスティン・デントモン
ラリー・サンダース
ドゥワン・サマーズ
ガーロン・グリーン
【ヘッドコーチ】
ジュリアス・アービング
「Tri-State」は、2021年のシーズンでジェイソン・リチャードソンとラリー・サンダース、ネイト・ロビンソンを中心に勝利を重ね、リーグ1位の6勝2敗の成績でプレーオフへ進出。準決勝でリーグ4位のトリロジーと対戦し42-50で敗戦し、3位決定戦ではトリプレッツと対戦し50-31で圧勝してシーズン3位で締めくくった。
シーズン終了後、ラリー・サンダースはディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを、ジュリアス・アービングはコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
悲願のチャンピオンを目指すべく、昨シーズン好調だったジェイソン・リチャードソンとラリー・サンダースに加え、海外で長くのシーズンプレイしたベテラン司令塔のジャスティン・デントモンがBIG3に初参戦。
BIG3ドラフトでは、1巡目7位指名で2019-20シーズンに島根スサノオマジックでプレイしたドゥワン・サマーズを指名。2巡目6位指名で2014-15シーズンに熊本ヴォルターズでプレイし、ビバークのジェラルド・グリーンの弟であるガーロン・グリーンを指名した。
MVP級の活躍をしたジェイソン・リチャードソンの活躍はもちろんのこと、新加入した3選手がどれだけBIG3の舞台で輝きを放てるか、ジュリアス・アービングの采配にも注目したい。
Trilogy
トリロジー
【ロスターメンバー】
ジェームズ・ホワイト
アール・クラーク
アミール・ジョンソン
アイザイア・ブリスコー
デビッド・ホーキンス
【ヘッドコーチ】
スティーブンジャクソン
「Trilogy」は、初年度の2017年と昨年の2021年に2度王者となったチームで、2021年のシーズンはリーグ4位の5勝3敗でプレーオフへ進出。リーグ1位のトリプレッツを撃破し、チャンピオンシップゲームでスリーヘッデド・モンスターズを50-45で勝利し、2度目の優勝を勝ち取った。
今シーズンは、唯一2度の優勝を経験したジェームズ・ホワイトとアミール・ジョンソンが引き続きチームに残留。昨シーズン、トライステートで主力メンバーとして活躍していたアール・クラークが加入。
さらにBIG3ドラフトで唯一トリロジーが2巡目10位指名でBIG3創設からプレイし続け2019年にトリロジーでプレイした39歳のベテランガード、デビッド・ホーキンスを獲得。そして昨シーズン優勝を共にし、カイリー・アービングのいとこであるアイザイア・ブリスコーも引き続きチームに残ることとなった。
ディフェンディングチャンピオンとして迎える2022年のシーズンは、去年のリーディングスコアラーであったジャレットジャックが抜けたものの、BIG3での戦い方を知るメンバーを揃えBIG3で史上初の連覇を狙う。
Triplets
トリプレット
【ロスターメンバー】
ジョー・ジョンソン
ジェレミー・パーゴ
ジャネロ・パーゴ
アロンゾ・ジー
ライアン・ホリンズ
【ヘッドコーチ】
リサ・レスリー
「Triplets」は、2019年の王者として迎えた2021シーズンはリーグ2位の6勝2敗でプレーオフへ進出したものの、スリーヘッデド・モンスターズ、トライステートに敗れ最終順位は4位となってしまった。
2シーズン連続得点王、リーグMVPを受賞したジョー・ジョンソンが今年もチームキャプテンとして牽引し、ジェレミー、ジャネロのパーゴ兄弟が共同キャプテンとして支える。
そしてBIG3ドラフトで1巡目6位指名で2018年からBIG3で3シーズンプレイしているインサイドのライアン・ホリンズを、2巡目6位指名では2021年にビバークでプレイしたアロンゾ・ジーといったBIG3経験のあるセンターとガードを補強し昨シーズンからメンバーをほぼ一新する形となった。
注目なのは、やはり40歳ながらBIG3終了後に、ボストン・セルティックスと10日間契約を結び3年半ぶりとなるNBA復帰を果たしたジョー・ジョンソンである。FIBAバスケットボールワールドカップ アメリカ大陸予選でもアメリカ代表に選ばれる程に未だ実力はトップクラス。彼を中心に他のプレイヤーがどれだけ活躍できるか王座奪還を虎視眈々と狙う。
全12チームを紹介したが、いよいよ開幕戦の日程と開幕カードが発表された。
現地時間の6月18日土曜日の午後2時30分(日本時間で6月17日4時30分)から、開幕戦は、ジョージョンソン率いるトリプレット対ディフェンディングチャンピオンのトリロジーという好カード。
その他ジェラルド・グリーンのビバーク対マリオ・チャルマーズ率いるスリーズ・カンパニー、ラシャード・ルイスのスリーヘッデド・モンスターズ対リッキー・デイビスのゴースト・ボーラーズがそれぞれ対戦する。
現地時間の6月18日土曜日の午後2時30分(日本時間で6月17日4時30分)から、開幕戦は、ジョージョンソン率いるトリプレット対ディフェンディングチャンピオンのトリロジーという好カード。
その他ジェラルド・グリーンのビバーク対マリオ・チャルマーズ率いるスリーズ・カンパニー、ラシャード・ルイスのスリーヘッデド・モンスターズ対リッキー・デイビスのゴースト・ボーラーズがそれぞれ対戦する。
日本ではなかなか見る機会がないので気になる方は、「BIG3」の公式YouTubeチャンネルでハイライトなどを視聴することをお勧めします。
■「BIG3」公式YouTubeチャンネル
過去のシーズンの紹介も併せてどうぞ。
■2019シーズン
■2021シーズン
コメント