夏はオリンピックだけじゃない!アメリカのビッグトーナメント「TBT 2024」開催
TBTとはアメリカで毎年夏に開催されているバスケットボールトーナメント(TBT)はNBAで契約している選手以外で、現役/元プロ選手が参加者するトーナメント戦で、2014年に第1回大会が開催され今年で10年目を迎える。
プロアマ問わずNBAチームと契約している選手でなければ誰でも参加ができ、その注目される理由の一つはなんと言ってもその優勝賞金。
優勝賞金は100万ドル、日本円で約1億5000万円がチーム総取りとなる。賞金は2014年に50万ドルでスタートし、2015年に100万ドルへ増加。そして2016年から2019年は200万ドルになり、2020年以降は100万ドルと半額にはなってるものの、この金額を仮にスタッフ含め15で割ると1人頭1000万円である。なんとも夢のある大会だ。
もうひとつの注目ポイントとしては、各大学のOBが再集結し再びチームメイトとしてプレイする所である。参加チームは何かしらのコンセプトを持って結成される。例えばNCAAの大学OBチームや、海外出身選手のチームなど様々。今年はNBAのレジェンドであるシャキール・オニールがスポンサーとなっている「Team Diesel」も参戦する。
日本でもお馴染みの選手も多数出場予定
今回参戦するチームは各地区の大学OBチームが多く、もちろん外国籍選手としてBリーグでプレイした選手も多く名を連ねている。現在も活躍するあの選手や、かつて日本でプレイしていたあの選手など、今大会で出場予定のBリーガーを紹介したい。
“AfterShocks (Wichita State Alumni)”
- ダラル・ウィリスジュニア(Darral Willis Jr.)
2023-24シーズンにレバンガ北海道でプレイし、2024-25シーズンから京都ハンナリーズでプレイする。ウィリスジュニアは母校であるウィチタ州立大学のOBチームとしてプレイする。ユーロバスケット予選ではキプロス代表としてもプレイしている。
- ジャバリ・ナルシス(Jabari Narcis)
2023-24シーズンにB2の愛媛オレンジバイキングスでプレイし、2024-25シーズンでは湘南ユナイテッドBCでプレイするナルシス。自身の母校はテキサス大学アーリントン校であるが、ウィチタ州立大学のチームでプレイをする。
- ギャレット・スタツ(Garrett Stutz)
2017-18シーズンに島根スサノオマジック、2018-19シーズンにファイティングイーグルス名古屋、2019-20シーズンに群馬クレインサンダーズ、2020-21シーズンに大阪エヴェッサ、2021-22シーズンに佐賀バルーナーズ、2022年に短期で広島ドラゴンフライズでプレイしていた。今大会では、ウィチタ州立大学のOBとしてアシスタントコーチとしてチームをサポートする。
“All Good Dawgs (Butler Alumni)”
- ジェローム・ティルマン(Jerome Tillman)
2013年から2016年までレバンガ北海道でプレイし、2016年から2018年に名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、2018年から2020年は仙台89ERS、2020-21シーズンはファイティングイーグルス名古屋、2021-22シーズンは京都ハンナリーズ、2022-23シーズンはB3のトライフープ岡山、2023年に短期で秋田ノーザンハピネッツで契約するなど、長年日本でプレイしていた37歳のベテランビッグマンである。母校はオハイオ大学であるが今大会ではバトラー大OBチームでプレイする。
“Austin’s Own (Texas Alumni)”
- ジョーダン・ハミルトン(Jordan Hamilton)
2020-21シーズンに滋賀レイクスターズ(現 滋賀レイクス)と契約ひ日本へ来日以降、2021-22シーズンに熊本ヴォルターズ、2022-23シーズンに再び滋賀レイクスターズと契約。シーズン途中の2023年に期限付き移籍で西宮ストークスでプレイした後に、2023-24シーズンでは青森ワッツでプレイしていた屈指のスコアラーである。今大会では母校であるテキサス大学のOBとして参戦する。
“Best Virginia (West Virginia Alumni)”
- ケビン・ジョーンズ(Kevin Jones)
2018-19に琉球ゴールデンキングスと契約し、2019年から2021年までアルバルク東京、2021年から2023年までサンロッカーズ渋谷、2023-24シーズンは京都ハンナリーズでプレイし、2024-25シーズンからは再びサンロッカーズ渋谷でプレイする。本大会では、母校であるウェストバージニア州のOBとしてアシスタントコーチの役割でチームに参戦する。
“Brotherly Love Pro Am Foundation”
- ノヴァー・ガドソン(Novar Gadson)
2021年にシーズン途中でB3のベルテックス静岡と契約し来日。2021年に滋賀レイクスターズ(現 滋賀レイクス)、2022-23シーズンに京都ハンナリーズ、2023-24シーズンに富山グラウジーズと愛媛オレンジバイキングスでプレイ。本大会では地元であるフィラデルフィアのチームでプレイする。
“Carmen’s Crew (Ohio State Alumni)”
- イバン・ラベネル(Evan Ravenel)
2015-16シーズンに当時bjリーグに所属していた琉球ゴールデンキングスと契約し、ファイナルMVPを受賞。その後は2017年に秋田ノーザンハピネッツ、2018-19シーズンに福島ファイヤーボンズ、2020-21シーズンに熊本ヴォルターズ、2021-23シーズンにアルティーリ千葉、2023-24シーズンに香川ファイブアローズでプレイし、2024-25シーズンに新潟アルビレックスBBと契約した。本大会では、オハイオ州立大学のOBとしてプレイする。
- ジェフ・ギブス(Jeff Gibbs)
2010年から2016年まで当時JBL、NBLに所属していたトヨタ自動車アルバルク(現 アルバルク東京)でプレイし、その後Bリーグとなった2016-17シーズンから2020-21シーズンまで栃木ブレックス(現 宇都宮ブレックス)でプレイ。2021-22シーズンから当時B3の長崎ヴェルカでプレイし、2年連続昇格へ導いた後の2023年にサポートコーチになるも、2023-24シーズンの途中でサンロッカーズ渋谷と契約し現役復帰。2024-25シーズンでは越谷アルファーズと契約となった。43歳と大ベテランとなったギブスが地元であるオハイオ州のチームでプレイする。
“Eberlein Drive”
- アンソニー・クレモンズ(Anthony Clemmons)
2023-24シーズンからサンロッカーズ渋谷と契約し来日。来シーズンも契約継続が発表されている。2018年、2019年とカザフスタンリーグで二連覇を経験し、カザフスタンに帰化している。2023年FIBAW杯アジア予選でカザフスタン代表としてプレイした。本大会では地元であるミシガン州のチームで、縁のあるプレイヤーの1人としてプレイする。
“HEARTFIRE”
- リチャード・ソロモン(Richard Solomon)
2015-2016シーズンに当時NBLのトヨタ自動車アルバルク東京でプレイし、その後はフランスやトルコなどでプレイし、2020-21シーズンに富山グラウジーズと契約し再び日本でプレイ。2021年4月に大麻取締法違反容疑で契約解除となりそれ以降はロシアや中国などでプレイを続けている。2023年にTBTチャンピオンとなったHEARTFIREで再びプレイし連覇を狙う。
“Happy Valley Hoopers (Penn State Alumni)”
- ジョン・ハーラー(John Harrar)
2023-24シーズンにB2のベルテックス静岡と契約し来日。チームの大黒柱としてプレイし平均14.2得点、10.9リバウンドのダブルダブルの成績でチームを牽引し、2024-25シーズンも契約継続が発表された。今大会では母校であるペンシルバニア州立大学のOBチームとして参加する。
“La Familia (Kentucky Alumni)”
- ケレム・カンター(Kerem Kanter)
2022-23シーズンに秋田ノーザンハピネッツでプレイ。平均10.1得点、6.0リバウンド、1.3アシストを記録し1シーズンのみで退団した。大学はウィスコンシン大学ザビエル大学だが、兄のエネス・カンターがプレイするはずだったケンタッキー大学の一員としてプレイすることになった。
“Men of Mackey (Purdue Alumni)”
- ジョナサン・オクテウス(Jonathan Octeus)
2020-21シーズン滋賀レイクスターズ(現 滋賀レイクス)と契約し日本へ。2021-22シーズンにB2の越谷アルファーズと契約した後、シーズン途中の2022年にB1のシーホース三河と契約し大型ポイントガードとしてプレイした。今大会では母校のパデュー大学のOBとして参加する。
“Million $ Worth of Game”
- ティム・ゲール(Tim Guers)
2023-24シーズンにB3の鹿児島レブナイズと契約。コンボガードとして活躍しチームのB2昇格へ貢献した。今年からTBTへ参戦するMillion $ Worth of Gameは人気ポッドキャストMCをフューチャーしたチームででフィラデルフィアを代表して参戦する。
“Once A Bronco (Boise State Alumni)”
- トーマス・ブロープレー(Thomas Bropleh)
2023-24シーズンにB2のベルテックス静岡でプレイし類まれなるオフェンス力でチームの中心として活躍し、平均17.0得点、4.4リバウンド、2.8アシストを記録した。今大会では母校であるボイシ州立大学のOBとして参戦する。
“Run DFW”
- トニー・クリスウェル(Tony Criswell)
2023-24シーズンの途中、2024年1月にB2の新潟アルビレックスBBと契約し日本でプレイ。25試合中18試合で先発を務め、平均18.7得点、6.9リバウンドを記録した。今大会から初参戦するRun DFWの一員としてプレイする。
“Sideline Cancer”
- エリック・トンプソン(Eric Thompson)
2018-19シーズンに当時B2の広島ドラゴンフライズと契約し来日。シーズン途中の2019年1月に香川ファイブアローズへ移籍。その後はイスラエル、韓国などでプレイした後、2023-24シーズンにB2の岩手ビッグブルズでプレイ。Sideline Cancerは膵臓がん研究への支援を目的としたチームであり、トンプソンはその一員としてプレイする。
“Takeover BC”
- ハビエル・カーター(Javier Carter)
2019年から2021年まで秋田ノーザンハピネッツでプレイし、2021-22シーズンに当時B3の長崎ヴェルカ、2022-23シーズンにB2の山形ワイヴァンズ、2023-24シーズンに再び秋田ノーザンハピネッツでプレイ。2024-25シーズンにはB1へ昇格した滋賀レイクスと契約を果たした。2017年からはパナマ代表としてコンスタントに代表メンバーに選ばれプレイしている。
“Team Diesel”
- スタントン・キッド(Stanton Kidd)
2022-23シーズンに秋田ノーザンハピネッツと契約し来日し、2023-24シーズンに信州ブレイブウォリアーズへ移籍するも怪我によりシーズン序盤で離脱し契約解除となった。2024-25シーズンからは仙台89ERSと契約し、再び日本でプレイすることとなった。本大会ではシャキール・オニールがオーナーとして率いるTeam Dieselの一員としてプレイする。
The Cru (Valparaiso Alumni)
- コーリー・ジョンソン(Cory Johnson)
2015-16シーズンに横浜ビー・コルセアーズと契約し初来日。その後ルクセンブルクでプレイした後に2018-19シーズンに愛媛オレンジバイキングスと契約し再び日本へ。2021年にバンビシャス奈良と契約するも1試合もプレイせず開幕早々に契約解除となった。本大会では母校であるバルパライソ大学のOBとして参戦する。
“The Program NYC for Autism”
- ステイシー・デイヴィス(Stacy Davis)
2023-24シーズンにB1の京都ハンナリーズと契約したが2023年11月に契約解除、その後にB2の新潟アルビレックスBBと契約し、平均24.7得点、7.6リバウンド、3.7アシストとチームトップの成績を残した。今大会では自閉症啓発プログラムを支援を目的としたThe Program NYC for Autismでプレイする事になる。
“The Ville (Louisville Alumni)”
- ニック・メイヨ(Nick Mayo)
2019-20シーズンに千葉ジェッツと契約しプロキャリアを日本でスタートさせた。それ以降は2020-21シーズンにレバンガ北海道2021-22シーズンからは広島ドラゴンフライズでプレイし2023-24シーズンにはBリーグ制覇に貢献した。今大会では昨年に続きルイビル大学のOBチームとして参戦する。
“We Are Bleed Green (North Texas Alumni)”
- シャノン・ショーター(Shannon Shorter)
2015-16シーズンに当時NBLの広島ドラゴンフライズでプレイし、その後は海外チームを転戦していたが、2020-21シーズンには千葉ジェッツに加入し、Bリーグ初制覇に貢献した。本大会では母校であるノーステキサス大学のOBとしてプレイする。
“WoCo Showtime (Wofford Alumni)”
- ケヴェ・アルマ(Keve Aluma)
大学卒業後、2022–23シーズンに当時B1新潟アルビレックスBBと契約し日本でプロキャリアをスタートさせた。翌年は韓国へ渡り1シーズンプレイした後に、2024–25シーズンからは琉球ゴールデンキングスと契約をし再び日本でプレイする。本大会では母校であるウォフォード大学のOBとしてプレイするが、現在NBAのサマーリーグに参戦しており、出場するのかは不明である。そしてサマーリーグの結果次第では日本ではなくNBAやGリーグでプレイする可能性がある。
ここまでで全チームから日本に縁のあるプレイヤーをピックアップしたが、如何せん64チームあるのと、ロスターが日々変化するため漏れているプレイヤーもいるかもしれない。ケンタッキー大学OBとしてリード・トラビスもロスターに名前があったが、現在は無くなっているので出場しないかもしれない。
試合は現地時間で7月19日~8月4日まで開催される。試合の模様はTBTLiveで恐らく視聴可能の様なので興味のある方は1度見てみることをオススメしたい。
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