沖縄を始めとした日本のバスケファンに愛されSNS投票1位!

2021年12月9日にオールスターゲームのSNS投票による出場選手の発表され、今回の発表では異例のサプライズ選出が行われた。
SNS投票は、すでにファン投票ヘッドコーチ推薦でオールスターゲームに選出された人以外で、SNSによるファン投票で最後の1枠をかけて行われるのだが、「同一クラブの選出上限人数」と「外国籍選手/帰化選手・アジア特別枠選手」の縛りがある。例え1位になってもこの縛りに該当する場合は時点の選手が選出されるのが“当初”のルールであった。


しかし、今回のオールスターゲーム開催地である沖縄をホームタウンとする琉球ゴールデンキングスにbjリーグ時代から9シーズン在籍していたアンソニー・マクヘンリーを呼びたと思うファンが多く投票結果は両チームを通じて最多得票を獲得。しかし、今回すでにB.WHITEではジャック・クーリー、ジョシュ・スコット、ジュリアン・マブンガの3選手が選出されており、ルールでは外国籍選手は3人までなので1位でも選出はできないはずであった。しかし、リーグ側の粋な計らいでB.WHITEの「特別枠」として選出することが発表されたのである。





リーグを動かすほどに日本のバスケファンから愛される「アンソニー・マクヘンリー」について今回は紹介していきたいと思う。


アンソニー・マクヘンリー
Anthony Duane McHenry



■プロフィール
出身    :アメリカ合衆国
生年月日  :1983年4月16日(38歳)
身長    :202 cm
体重    :101 kg
出身校   :ジョージア工科大学
ポジション :パワーフォワード/センター

■経歴
2005-06:レスター・ライダーズ
2006-07:フォートワース・フライヤーズ
2008-17:琉球ゴールデンキングス
2017  :信州ブレイブウォリアーズ

■受賞歴
bjリーグチャンピオン(2009、2012、2014、2016)
bjリーグMVP(2012-13)
bjリーグファイナルMVP(2012)
bjリーグベストファイブ(2010-11、2012-13)
B2リーグチャンピオン(2019)


大学屈指のオールラウンドディフェンダー
1983年4月16日アメリカのアラバマ州バーミンガムで誕生し、4歳の時に周りの子供たちと仲良くなりたかったためにバスケットをプレイし、徐々にその魅力にのめり込んでいった。
高校は地元のウッドローン高校へ進学。高校2年生時とは1試合平均14得点、9リバウンドを記録し、アラバマ州の有望な選手が選出される「Alabama Super 12」に選ばれ、Rivals.comの全米ランキングで42位にランクイン、2000年にはアラバマ州チャンピオンとなった。

高校卒業後はジョージア工科大学へ進学、ルーキーイヤーの2001-02シーズンは、30試合中2試合スタメン出場したがFG成功率29.7%とシュート精度に苦しみ、出場時間は平均9.4分に留まり、1.8得点、1.3リバウンド、0.7アシストと数字は低かったが、相手のシューターを止める役割などディフェンスでチームの勝利に貢献した。
2002-03シーズンは30試合全てベンチから出場し、1試合平均11.1分出場で2.0得点、1.3リバウンド、1.1アシスト、0.8スティールを記録。シーズン中に13回のブロックショットと23回のスティールを記録しオフェンスよりもディフェンスでの貢献が目立った。

大学キャリア最高のシーズンとなったのは3年目の2003-04シーズン。38試合中32試合にスタメン出場し、1試合平均18.3分、3.4得点、3.2リバウンド、1.2アシスト、1.1スティールと攻守で数字を残し、NCAAトーナメント進出の原動力となった。
NCAAトーナメントでは平均6.5得点とシーズン平均のほぼ2倍で、最初の2試合ではそれぞれで10得点を獲得しオフェンスで貢献。シーズン平均でわずか3.4得点だったが、オフェンス力が飛躍的にアップ、最初の2シーズンは、FG成功率30.6%、3P成功率20.3%だったが今シーズンはFG成功率48.1%、3P成功率26.9%をマークした。オクラホマ州立大学とのファイナルフォーでは、6得点、7リバウンド、4アシスト、3スティールとオールラウンドな活躍を披露し、全米準優勝に大きく貢献した。

大学最終年の2004-05シーズンは、32試合中29試合にスタメン出場し1試合平均23.9分、3.8得点、3.3リバウンド、1.9アシスト、1.1スティール、1.2ブロックとオールラウンドに数字を残し、NCAAトーナメント出場に貢献。1回戦はジョージワシントン大学と対戦し全てのシュートを成功させ10得点を記録し勝利に貢献、続く2回戦でルイビル大学と対戦し19分間出場で無得点、4つファールで思うように仕事ができず試合も54対76で敗れた。

大学時代は30得点を記録したり、トリプルダブルを記録したりなどはほぼなかったが、長い腕と恵まれた体格を活かし相手チームのエースを止める役割や、オールラウンドに4つのポジションを守ることができ、ボールをうまく処理できる強力なフォワードとしてディフェンスで大きな貢献し、コーチからチーム最高のディフェンダーと評された。
チームメイトからはチームの要という意味から「Xファクター」、バスケットボールIQの高さから「Q」などと呼ばれていた。



NBAを目指すも海外でプロデビュー
大学卒業後に2005年のNBAドラフトにエントリーするも指名はなく、サンアント二・スパーズの一員としてサマーリーグに参加するも2試合合計で12分間しか出場時間をもらえずアピールすることはできず、どの球団からも声がかかることはなかった。
その後は海を渡りイギリスのプロバスケットボールリーグBBLのレスター・ライダーズに入団。40試合に出場12.2得点、5.8リバウンド、2.8アシスト、1.8スティール、1.3ブロックと変わらないオールラウンドな成績に加えて、FG成功率49.4%を残し、3P成功率も31.4%とオフェンス力が向上し、26回の2桁得点と3回のダブルダブルを記録し勝利に貢献。チームは18勝22敗でシーズン6位でプレイオフへ進出し、1回戦ではシーズン3位のシェフィールドシャークスと対戦し85対101で敗戦した。
翌2006-07シーズンは再びNBAでのプレイを目指しNBAデベロップメント・リーグ(現在のGリーグ)のフォートワース・フライヤーズへ入団。19試合中8試合にスタメン出場するも、平均12.8分、2.6得点、2.1リバウンド、1.3アシストとアピールはできず、チームは29勝21敗でリーグ3位でプレイオフへ出場するも彼はメンバーから外れている。


引退を回避し日本リーグへ
2007-08シーズンになるとプレイヤーではなく母校のジョージア工科大学でアシスタントコーチに就任していた。転機となったのは友達のジェフ・ニュートンから一緒に琉球ゴールデンキングスでプレイしないかとの誘いを受けたことである。その連絡を受けなければそのまま引退をするつもりであったとのちのインタビューで明かしている。
それがきっかけれ2008年に当時bjリーグの琉球ゴールデンキングスと契約し現役復帰
当時の琉球はbjリーグ初参戦2シーズン目であり、初シーズンのとなった2007-08シーズンは10勝しかできず最下位と苦しいスタートとなった。

迎えた2008-09シーズンは新加入のジェフ・ニュートン、アンソニー・マクヘンリー、クリス・エアーの新戦力に加え沖縄県出身の金城茂之、澤岻直人と共に活躍しリーグ最高勝率の41勝を記録。マクヘンリーは49試合すべてにスタメン出場し36.3分出場、15.5得点、8.3リバウンド、4.7アシスト、1.5スティール、1.7ブロックとブランクを感じさせない活躍を披露。シーズンを通じてのフェアプレーなどで受賞に値する選手に贈られる「コミッショナー特別賞」を受賞した。
プレイオフではライジング福岡に2連勝し、続く準決勝では4連覇を狙うディフェディングチャンピオンの大阪エヴェッサと対戦。最大17点差を跳ね返して大逆転勝利を収め勢いそのままに決勝戦へ進出、決勝では東京アパッチと対戦し89-82で勝利。球団設立2年目にしてリーグ制覇を成し遂げ最高の復帰シーズンとなった。

2009-10シーズンは、看板選手だった司令塔の澤岻直人が移籍し、与那嶺翼が加入しより一層攻撃的な早いバスケットを展開を目指した。
しかし日本トップの得点力を誇る金城茂之が12試合終了時に右ひざ前十字靭帯損傷の大ケガで離脱、ジェフ・ニュートンも1月に左肩脱臼で二枚看板をの怪我で欠く苦しいシーズンとなった。他の選手も続々怪我で離脱する中、マクヘンリーは49試合すべてにスタメン出場しチームトップの平均36.0分プレイ。1試合平均12.4得点、6.7リバウンド、5.0アシスト、1.5スティール、1.4ブロックを記録しチームを牽引。33勝19敗とウェスタン・カンファレンス2位でプレイオフへ進出を決め、プレイオフでは昨シーズンと同じくライジング福岡に2連勝し、準決勝で大阪エヴェッサと対戦したが65-84で敗戦し連覇を逃した。3位決定戦では新潟アルビレックスBBと対戦し82-75で勝利し、最終順位はリーグ3位でシーズンを終了した。

■bjリーグ2009-10シーズンプレイオフダイジェスト



2010-11シーズンは昨シーズン主力の故障が相次いだため、大阪のデイビッド・パルマーを補強した。ジェフ・ニュートン、金城茂之が復帰をするも怪我が復帰するもチーム全体でのタイムシェアを行ってシーズンを戦った。3月に東日本大震災の影響でシーズンが中断するも、34勝16敗と好成績を残し50試合中45試合にスタメン出場し、1試合平均26.1分、11.1得点、6.4リバウンド、3.1アシスト、1.3スティール、1.0ブロックを記録。全体的に数字は少し落ちているがFG成功率48.0%、3P成功率36.1%と高確率でシュートを決めチームを牽引し、2シーズンぶりのウェスタン・カンファレンス1位へ導いた。マクヘンリーはリーグのベスト5に選出された。
プレイオフのカンファレンスセミファイナルでは滋賀レイクスターズに2連勝し、ファイナル4に進出すると、カンファレンスファイナルでは大阪と三度対戦となり、この日マクヘンリーは31分間出場、今季最高記録の23得点を始め7リバウンド、2アシストと勝利貢献しリベンジに成功。続くファイナルでは昨シーズンのチャンピオン浜松・東三河フェニックスと激突。チーム最長の36分間出場しチームトップの19得点、11リバウンドのダブルダブル、4アシスト、3スティール、1ブロックと獅子奮迅の活躍をするもチーム全体が嚙み合わず、68-82で敗戦。準優勝でシーズンを終えた。


2011-12シーズンは並里成、山内盛久の若い戦力を加え、ジェフ・ニュートン、小菅直人と共にマクヘンリーもチームの中心として52試合中51試合にスタメン出場、1試合平均30.1分、11.9得点、7.3リバウンド、2.8アシスト、0.9スティール、1.2ブロック、FG成功率46.5%、3P成功率36.2%を記録しチームを牽引。1月には個人として初の月間MVPに選ばれるなど好調をキープ。レギュラーシーズンは2年連続ウエスタン1位リーグ最高勝率の39勝13敗を記録した。
プレイオフ・カンファレンスセミファイナルは2年連続で滋賀レイクスターズに2連勝し、bjリーグファイナルズに進出。カンファレンスファイナルでは京都ハンナリーズと対戦し、初戦を落としたものの第二戦と延長戦に勝利し2年連続でファイナルへ進出。前年王者浜松・東三河フェニックスと再び相まみえることとなった。マクヘンリーはチームトップの35分出場し両チームトップの25得点を記録し、4リバウンド、3アシスト、1スティール、3ブロックと攻守で勝利に貢献、3シーズンぶりの優勝へ導いたマクヘンリーはプレーオフMVPに選ばれ最高のシーズンの締めくくりとなった。

■bj league final 総集編 有明コロシアム 2009-2012



2012-13シーズンからはここまでチームを指揮した桶谷大HCが勇退し、新体制でのスタートとなった。しかしレギュラーシーズンが始まると開幕からリーグタイ記録となる15連勝を記録するなど昨シーズンの勢いそのままに勝利を重ね、マクヘンリーはオールスターゲームに初選出された。4月の月間MVPを受賞、勝率8割を越える最高勝率42勝10敗で2年連続でリーグ1位でプレイオフへ進出。マクヘンリーは50試合全てにステメン出場し、1試合平均32.3分、16.1得点、9.7リバウンド、3.1アシスト、2.0スティール、1.1ブロック、FG成功率53.4%、3P成功率37.4%を記録し、レギュラーシーズンMVPと2度目のベスト5を受賞した。
プレイオフ・カンファレンスセミファイナルに進出し、レギュラーシーズン5位の京都ハンナリーズと対戦したが初戦を57-82と惨敗。第2戦は90-60と快勝し1勝1敗で迎えた直後に行われた第3戦は序盤9-0と猛攻で勢いそのままに勝利を収めるかと思われたが、終盤に京都のディフェンスに圧倒され14-19とまさかの逆転負けでアップセットされてしまった。5シーズンぶりにファイナルズ前に敗退した。

■bjリーグ2012-2013シーズン 5/12 沖縄vs.京都 ダイジェスト(第2戦・第3戦)



2013-14シーズンは前シーズンまでアシスタントコーチを務めていた伊佐勉が新HCに就任し王座返り咲きを目指す。ホームゲーム26戦で24勝を記録するなど43勝9敗と勝率82%でリーグ最高勝率で4シーズン連続ウエスタン1位でプレイオフへ進出。
48試合中47試合にスタメン出場し平均29.2分、13.3得点、7.4リバウンド、3.2アシスト、1.7スティール、1.3ブロックを記録し、2年連続2回目のオールスター出場、3度目のベスト5受賞した。
プレイオフカンファレンスセミファイナルで浜松・東三河フェニックスと対戦で2連勝し、2シーズンぶりのbjリーグファイナルズへ進出。カンファレンスファイナルでは昨シーズンアップセットされた宿敵京都ハンナリーズと激突したが、74-56と地力の差を見せつけ勝利しファイナル進出を決めた。2シーズンぶり3度目の優勝がかかったファイナルでは、富樫勇樹、田口成浩率いる秋田ノーザンハピネッツとの対戦となった。試合は序盤から点の取り合いとなり前半だけで55-48と沖縄のリードで後半を迎えると、沖縄の激しいディフェンスで秋田のオフェンスを止め最終スコアは103-89で勝利を収め三度目のbjリーグ制覇を成し遂げた。

■bjリーグ13-14 FINALS ファイナル 秋田vs.沖縄 ダイジェスト



2014-15シーズンは序盤から京都ハンナリーズ、浜松・東三河フェニックスと首位争いをする中、マクヘンリーは51試合中48試合にスタメン出場し1試合平均29.5分、チーム2番手の12.4得点、7.4リバウンド、3.3アシスト、1.3スティール、1.0ブロックを記録し、1月の月間MVPを受賞するなどチームを牽引。リーグ1位は5シーズンぶりに逃したが42勝10敗の好成績でウエスタン2位でプレイオフ進出の原動力となった。
プレイオフ・ファーストラウンドでは7位の大分ヒートデビルズに大苦戦。初戦を67-74と落とすも第2戦は92-68と快勝し、1勝1敗となった後の第3戦は一進一退の攻防で12-11で前半を折り返し、後半はリードを許すもマクヘンリーのバスケットカウントで逆転に成功。大分の追い上げを振り切り23-18で勝利してセミファイナル進出を手にした。ホームコートアドバンテージで地元沖縄で開催となったセミファイナルでは、レギュラーシーズン3位の浜松・東三河フェニックスと対戦。第1戦を69-71と惜敗し、迎えた第2戦でも63-70とプレイオフで初の2連敗を喫してまたしても連覇を逃してしまった。

■bj league final 総集編part3 有明コロシアム 20013-2015



そしてbjリーグ最終年となった2015-16シーズン、このシーズンも首位の京都ハンナリーズと1.0ゲーム差で2シーズン連続のウエスタン2位となるも40勝12敗とリーグ2位の勝率でプレイオフへ進出。マクヘンリーは50試合中33試合にスタメン出場し29.1分、10.3得点、8.7リバウンド、3.6アシスト、1.3スティール、1.4ブロック、そしてキャリア最高のFG成功率54.8%を記録し、ベンチ出場が多くなったが変わらないパフォーマンスを披露した。
プレイオフでは、ファーストラウンドでレギュラーシーズン7位の金沢武士団と対戦し2連勝でセミファイナルへ進出。bjリーグで幾度となく死闘繰り広げた大阪エヴェッサにも勢いそのままに連勝し2シーズンぶりにファイナルズへ進出。カンファレンスファイナルは、レギュラーシーズンで対戦成績1勝3敗と負け越している京都ハンナリーズと対戦するも勢いは止まらず87-56で大勝。bjリーグラストゲームとなったファイナルでは城宝匡史率いる富山グラウジーズと対戦し、序盤はなかなか流れに乗れなかったがイバン・ラバネルとマクヘンリーのコンビでインサイドを支配。マクヘンリーは二桁得点やディフェンスでチームに貢献し86-74で勝利を飾り、bjリーグ最多となる4回目のリーグ制覇を成し遂げbjリーグでのプレイで有終の美を飾った。

■bjリーグ 15-16ファイナル 富山vs.沖縄



Bリーグ創設初年度の2016-17シーズンも琉球ゴールデンキングスでのプレイを選択。記念すべき開幕戦のカードは、昨シーズンNBLでリーグ1位であったアルバルク東京と組まれた。全国放送となった開幕戦はまさにbjリーグの王者vsNBLの王者という構図となった。マクヘンリーはベンチからの出場となったが16分間の出場で9得点、8リバウンド、4アシスト、2スティール、2ブロックを記録するもチームは80-75で敗戦。続く第二戦はスタメン出場し28分間出場しチームトップの14得点、18リバウンドのダブルダブルをマークし孤軍奮闘するも第3Qで4つのファールを犯しプレイを制限されてしまう。チームもシュート精度を欠き74-53と大敗を喫しBリーグ参戦は連敗スタートとなった。しかしマクヘンリー自身はこれまでと変わらないオールラウンドなプレイでリーグ屈指のプレイヤーであることを証明した。
その後レギュラーシーズンは4連勝するも負けが先行して苦しい戦いを強いられた。マクヘンリーはオールスターゲーム出場するなど60試合全てに出場し7.9得点、6.4リバウンド、1.8アシスト、0.9スティール、1.1ブロックを記録し、彼を中心に後半戦で巻き返し29勝31敗で西地区2位全体8位でプレイオフ進出に貢献。
プレイオフでは同地区1位のシーホース三河と対戦し、第1戦は格上に対して食らいたが第4Qに失速し、金丸晃輔に31得点を許し敗戦。マクヘンリーは途中出場で11分間出場で5得点3リバウンド、1ブロックを記録。続く第2戦も一進一退の攻防を繰り広げるも81-75で連敗。マクヘンリー途中出場で21分間プレイし11得点、5リバウンド、2スティールと奮闘するもBリーグ初年度はほろ苦い経験で終了した。

■アルバルク東京vs琉球ゴールデンキングス|B.LEAGUE開幕戦 GAME1 Highlights



そして34歳となる2017-18シーズンは、9シーズン在籍した琉球ゴールデンキングスを離れ当時B2リーグの信州ブレイブウォリアーズへの入団を決意。長年チームの大黒柱として支えていただけにこの移籍は衝撃のニュースであった。
チームに合流すると琉球時代と変わらないオールラウンドなパフォーマンスを披露。58試合中27試合にスタメン起用されベンチ出場が多かったが平均25.8分間出場、13.6得点、8.5リバウンド、3.9アシスト、1.5スティール、1.3ブロックとほとんどのカテゴリーでチームトップの成績を記録し、トップリーグの実力をB2でも発揮しチームを牽引した。チームは開幕4連勝と好スタートを切ったが終盤に6連敗を喫するなど失速し終わってみれば25勝35敗と中地区5位全体11位と低迷。マクヘンリーは日本来日以来初めてプレイオフ進出を逃した。


続く2018-19シーズンはチームが一大改革に乗り出し、勝久マイケルがHCに就任し、石川海斗、ウェイン・マーシャル、リチャード・ロビーといった実績のある新戦力の補強に成功。昨シーズンベンチ出場が多かったマクヘンリーも今季は50試合全てにスタメン起用され、平均18.3得点、10.2リバウンド、5.4アシスト、1.9スティール、1.4ブロック、FG成功率54.2%、3P成功率42.7%とここ数シーズンでベストパフォーマンスを残し、チームも開幕10連勝を皮切りに勝利を積み重ね、中地区優勝さらにリーグ1位の48勝12敗でプレイオフへ進出。
プレイオフではセミファイナルでグレゴリー・エチェニケ、ロスコ・アレンを中心に屈指のオフェンス力を誇りリーグ4位の島根スサノオマジックと対戦したが、信州のディフェンス力で島根のオフェンスを抑え第1戦74-61、第二戦を72-57と連勝しファイナルへ進出。マクヘンリーは第1戦でチームトップの25得点、8リバウンド、7アシスト、2ブロックを記録。第2戦では19得点、10リバウンド、5アシスト、4ブロックとダブルダブルで勝利に貢献した。
ファイナルではリーグ3位の群馬クレインサンダーズと対戦。第1戦はマクヘンリーのチームトップの18得点でチームを牽引し82-63で圧勝。第2戦のマクヘンリーはシュート精度に欠き5得点に留まるも、8アシストを記録しチームをコントロールし相手の外国籍選手を止めるなどディフェンス面で貢献。一進一退の攻防を繰り広げるも地力の差で84-77と勝利を手にしてチーム史上初のB2制覇を果たした。
しかし、B1昇格の条件を満たすことができず優勝をするもB1へ昇格することは叶わず、翌シーズンもB2にとどまることが確定した。

■信州ブレイブウォリアーズvs群馬クレインサンダーズ|B2 PLAYOFFS FINAL 2018-19 GAME2Highlights



王者として望んだ2019-20シーズンは開幕戦こそ広島ドラゴンフライズ戦を1勝1敗でスタートしたがそこから9連勝、8連勝、7連勝、9連勝と圧倒的強さを発揮し40勝7敗を記録するも新型コロナウイルスの影響でシーズンが途中で打ち切られる事態となった。マクヘンリーは39試合全てにスタメン出場し、1試合平均32.4分、14.1得点、7.6リバウンド、5.9アシスト、1.6スティール、1.1ブロックを記録し快進撃を牽引していた。
チームは2年連続でB2中地区優勝が決定しB1ライセンスを交付され悲願のB1昇格が確定した。

B1初参戦となった2020-21シーズンは、B1昇格初年度のチームとしては最多勝利数を更新する成績を収めたが20勝34敗と西地区10チーム中7位、リーグ20チーム中14位と同じくB2から昇格した広島ドラゴンフライズが9勝46敗と苦しむ中、昇格組としては好成績を残した。
46試合全てにスタメン出場、チームトップの平均30.8分、10.7得点、7.0リバウンド、4.9アシスト、1.3スティール、1.1ブロックと37歳の年齢を感じさせないプレイを披露しチームの要として活躍。

■2020-21シーズンハイライト



日本でのプレイ14年目となった2021-22シーズンは、佐藤託矢の現役引退、小野龍猛、山本エドワードの退団し、新戦力として岡田侑大、前田怜緒、熊谷航など新戦力を迎えて新シーズンに挑んだ。19試合終了時点で、9勝10敗と西地区6位。マクヘンリーは全試合スタメン出場し、1試合平均12.9得点、8.5リバウンド、4.3アシスト、1.8スティール、1.1ブロックを記録。38歳と大ベテランになっても変わらない安定した活躍でプレイオフ進出を目指す。

■2021年10月24日 アンソニー・マクヘンリーハイライト



夢の舞台へ
琉球ゴールデンキングスで9シーズン、信州ブレイブウォリアーズで5シーズンと14年間プレイした中でほぼ怪我での欠場もなく671試合に出場した鉄人で、キャリア平均で20得点を超えたこともなく毎試合ハイライトとなる派手なプレイをするわけでもないが、38歳になった今でも全盛期と変わらない数字を残し続けることができ、高いバスケットIQとキャプテンシーでチームの中心として常に勝利に貢献する。
長くプレイしただけではなくファンのみならずプレイヤーからも愛される彼だからこそ、今回のオールスター選出となったことは間違いない。
ゆかりのある沖縄で開催されるオールスターゲームでの彼のプレイに注目をしたい。

■アンソニー・マクヘンリーのハイライトプレイ