スペイン1部リーグでプレイしたジェイコブ・ワイリーと契約!

2022年5月24日に滋賀レイクスターズがジェイコブ・ワイリーと2022-23シーズンの契約を交わしたと発表された。




アメリカ出身で北マケドニアの国籍を取得しており、2021年に開催されたFIBAワールドカップ2023 ヨーロッパ地区予選に北マケドニア共和国代表としてプレイ。
203cm、100kgとインサイドプレイヤーとしては小柄ではあるが、2017年にブルックリン・ネッツでのプレイ経験を持ち、ドイツやオーストラリア、スペインなどで活躍したジェイコブ・ワイリーとはどんな選手なのか紹介したい。


ジェイコブ・ワイリー
Jacob Wiley




■プロフィール
出身    :アメリカ合衆国
国籍    :アメリカ合衆国・北マケドニア共和国
生年月日  :1994年9月4日(27歳)
身長    :203 cm
体重    :100  kg
出身校   :イースタンワシントン大学
ポジション :パワーフォワード/センター

■経歴
2017-18:ブルックリン・ネッツ(NBA)
2017-18:ロングアイランド・ネッツ(NBA Gリーグ)
2018   :MHPリーゼンルートヴィヒスブルク(ドイツ)
2018-19:アデレード36ers(オーストラリア)
2019   :CBグランカナリア(スペイン)
2019-20:パナシナイコス(ギリシャ)
2020-21:CBグランカナリア(スペイン)
2021   :バスケットサラゴサ(スペイン)
2021-22:ブドゥチノスト(モンテネグロ)
2022   :コースール・レアル・ベティス(スペイン)

■代表歴
北マケドニア共和国代表(2021)


高校時代は3競技でキャプテンを任されたエリートアスリート

1994年9月4日にカリフォルニア州ロングビーチで生まれ、ワシントン州のニューポート高校に入学するとバスケットボールで3回、フットボールで3回、陸上で1回代表の座を獲得するほどのアスリートであった。4年生時にはジェイミー・パンチョ監督の下で1試合平均24得点、12リバウンドを記録。バスケットでは、チームキャプテン、チームMVP、Most Inspirationalに選ばれた。フットボールでもキャプテンを務め、タイトエンドとしてオールステートファーストチームに選出された。パスキャッチ52回、875ヤード、タッチダウン8回、またラッシュで2回、キックオフリターンで2回の得点を記録した。さらに陸上競技でもキャプテンを務め、ゴールデンスパイク賞を受賞した。


大学で着実に成長しカンファレンスNo.1選手へ

高校卒業後の2012年にモンタナグリズリーズ大学へ進学。2012-13シーズン、チームはシーズン19勝1敗とBig Skyカンファレンスで1位の成績を収めたものの、ワイリー自身はシーズンで20試合に出場したものの平均3.0分、1.0得点、0.6リバウンドとさみしい成績となってしまった。そして迎えた2013年NCAAトーナメントでは、1回戦でNBAの新人王を獲得したマイケル・カーター・ウィリアムズ率いるシラキュース大学と対戦し81-34と大敗を喫してしまった。
NCAAトーナメント終了後、2年生になって初めての練習をした後に陸上競技へ転身し2013年10月から2014年3月までプレイすることはなかった。

モンタナグリズリーズ大学を離れ、2014年にNAIAのルイス・クラーク州立大学に編入し、再びバスケットボールキャリアをスタートさせた。キャリア復帰した2014-15シーズンは、ブランクを感じさせないプレイでチームの中心選手として活躍し、32試合中24試合で先発出場し、チームトップの1試合平均25.8分、14.6得点、チーム2位となる7.3リバウンドを記録。
NAIAオールアメリカン、オールカンファレンス・ファーストチーム、フロンティア・カンファレンス新人賞を受賞しカンファレンストップ選手の仲間入りを果たした。
3年目の2015-16シーズンでは、31試合中30試合に先発出場し1試合平均14.9得点、7.5リバウンドを記録。NAIAファーストチーム・オールアメリカン、フロンティア・カンファレンス年間最優秀選手に選出、NAIAトーナメントでの初優勝に貢献した。

2016年にルイス・クラーク州立大学からのイースタン・ワシントン大学へ編入し、バスケットボールと並行してコミュニケーション学の修士号取得を目指した。
2016-17シーズンは13勝5敗でカンファレンス2位の成績を収め、ワイリーは34試合全てに先発出場し1試合平均20.4得点、9.1リバウンド、2.8ブロック、2.3アシストを記録。平均リバウンド、平均ブロック、FG成功率など多くのカテゴリーでカンファレンストップの成績を残し、Big Skyカンファレンスの年間最優秀選手賞に選ばれた。

■2016-17シーズンハイライト



ドラフト外ながらもブルックリン・ネッツでNBAデビュー

2017年NBAドラフトへエントリーするも指名は受けず、サマーリーグでブルックリン・ネッツの一員としてプレイ。4試合に出場、平均15.6分、2.5得点、4.5リバウンドを記録し、2017年8月14日にネッツとツーウェイ契約を締結し、Gリーグ所属のロングアイランド・ネッツとブルックリン・ネッツの双方でプレイ時間を分けることになった。
迎えた2017年10月29日、開幕7試合目デンバー・ナゲッツ戦でNBAデビューを果たし4分間のプレイで2リバウンドを記録。その後5試合でプレイし1試合平均6.7分、平均0.8得点、2.2リバウンド、0.4アシストを記録、Gリーグのロングアイランド・ネッツでは16試合に出場し、1試合平均20.6分、7.8得点、3.6リバウンド、1.1アシストを記録したが、2018年1月15日にネッツからウェイブされた。


主戦場をヨーロッパへ移しステップアップ

2018年3月4日にドイツのバスケットボールリーグ「ブンデスリーガ」のMHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクと契約。
シーズン途中での加入となったため2試合のみの出場に留まり、1試合平均7試合、1.5リバウンドを記録。チームメイトには琉球ゴールデンキングスでプレイするドウェイン・エバンスがプレイしている。

シーズン終了後、再びNBAでのプレイを目指し2018年のNBAサマーリーグにダラス・マーベリックスの一員として参加。5試合出場し、1試合平均16.7分、5.2得点、3.2リバウンド、0.4アシスト、0.6スティール、1.0ブロックとアピールしたものの本契約とはいかず、オーストラリアリーグのNBLに所属するアデレード・36ersと契約。

2018-19シーズンは、28試合中26試合に先発出場し1試合平均22.6分、12.3得点、5.0リバウンド、0.9アシスト、0.6スティール、0.6ブロックを記録。チームはレギュラーシーズン14勝14敗でリーグ5位の成績となった。2019年2月12日に2019-20シーズンの再契約を交わすも再びプレイすることはなかった。
NBLのシーズン終了後、2019年2月20日にスペイン1部リーグのACBに所属するCBグランカナリアと契約。14試合に出場しチームトップの16.5得点、5.1リバウンド、1.0アシストを記録。ユーロリーグでは7試合出場し10得点、2.6リバウンド、0.6アシストを記録し、ユーロリーグでインパクトを残すことに成功した。

2019年7月16日にギリシャのバスケットボールリーグ王者であるパナシナイコスと契約を締結。20試合中4試合に先発出場、1試合平均9.4得点、3.7リバウンド、0.9アシストを記録し、チームは18勝2敗でリーグ1位と他チームを圧倒した。ユーロリーグでは24試合中5試合に先発出場、1試合平均5.4得点、1.8リバウンド、0.3アシストを記録し、チームは14勝14敗とリーグ6位の成績を収めた。
この年、コロナウィルスの影響でシーズンの途中で中止となりプレイオフが開催されることはなかった。

2020年7月14日、スペインのリーガACBに所属するCBグランカナリアと契約し古巣へ復帰。レギュラーシーズンでは11試合中6試合に先発出場、1試合平均22.3分、9.8得点、3.8リバウンド、1.0アシストを記録。シーズン半ばの2021年2月26日、同じスペインのリーガACBに所属するバスケットサラゴサにレンタル移籍されることが発表された。
サラゴサへ移籍初戦で12分間出場し13得点をマークし勝利に貢献。その後14試合中8試合に先発出場し、1試合平均19.1分、10.4得点、3.7リバウンド、1.1アシストを記録。チームは14勝22敗でプレイオフ進出は逃し、CBグランカナリアはプレイオフ進出を果たす結果となり、明暗を分けた。

シーズン終了後、2021年7月3日にモンテネグロのABAリーグのブドゥクノスト VOLIと契約。レギュラーシーズンは7試合に出場し4.7得点、3.7リバウンド、0.3アシストと得点が伸びなかったが、ユーロカップでは5試合出場で平均21分の出場時間を与えられ、10.8得点、5.8リバウンドと活躍。しかし、家庭の問題を理由にチームの同意なくで練習に来なかったことが理由で、2021年12月3日にチームから出場停止処分を受けてしまう。
シーズン途中の2022年2月4日に、再びスペインのリーガACBのレアル・ベティスと契約を締結しプレイすることが可能になり、翌日の試合からベンチ出場を果たした。
18試合に出場し1試合平均20.8分、10.2得点、4.8リバウンド、0.5アシストを記録し復調することに成功した。

■2020-21 Best Plays & Highlights



北マケドニア国籍を取得し代表選出へ

2020年11月12日にマケドニアの国籍を取得し、北マケドニアの代表チームでのプレイ資格を得ることができ、同年の11月15日に開催されたユーロバスケット2022予選のメンバーに選出された。
2021年11月に開催されたFIBAワールドカップ2023 ヨーロッパ地区予選ではスペイン戦、グルジア戦2試合、ウクライナ戦の4試合プレイし、1試合平均10.0得点、8リバウンド、1.8アシストを記録した。

■FIBA EuroBasket 2022 Qualifiers highlight


滋賀レイクスターズと契約し新天地日本でプレイ

サイズは203cmとインサイドプレイヤーとしては小さいながらも、圧倒的な身体能力とパワー、さらには機動力も兼ね備えコートを縦横無尽にプレイすることが期待さる。
今回日本でプレイするきっかけとなったのが、滋賀のヘッドコーチを務めるルイス・ギルがアシスタントコーチとしてスペイン代表と北マケドニア代表と対戦した時ことが大きな要因となったようだ。

14勝43敗で西地区10位と低迷した滋賀は、ワース・スミス、ノヴァー・ガドソン、ショーン・オマラの外国籍選手との再契約はせず、チームを一新する方向に動くとみられる。ワイリーは現在27歳とまだ若いプレイヤーだけに日本でのプレイが楽しみである。



【おまけ】
いつかはわからないけど、レーンアップダンクの動画があったので紹介しておきます。