ヨーロッパ各地の1部リーグでプレイしたエリック・マクリーと契約!

2022年6月17日に滋賀レイクスターズがエリック・マクリーと2022-23シーズンの契約を交わしたと発表された。



アメリカ出身で大学卒業後にGリーグを経てNBAで4試合プレイした実績を持ち、その後ヨーロッパの一部リーグでプレイをしたフォワードのプレイヤーである。
202cm、103kgで主にスモールフォワードとしてプレイし、アウトサイドでもインサイドでもプレイできるオールラウンドプレーヤーであるエリック・マクリーとはどんな選手なのか紹介したい。


エリック・マクリー
Erik McCree



■プロフィール
出身    :アメリカ合衆国
生年月日  :1993年12月20日(28歳)
身長    :202 cm
体重    :103 kg
出身校   :ルイジアナ工科大学
ポジション :スモールフォワード/パワーフォワード

■経歴
2017  :スーフォールズ・スカイフォース(NBA G League)
2017-18:ユタ・ジャズ(NBA)
     :ソルトレイクシティ・スターズ(NBA G League)
2018-19:コンサルティンベストVLペーザロ(イタリア)
2019-20:BCM グラベリン・ダンケルク(フランス)
2020   :バッケン・ベアーズ(デンマーク)
2020-21:BCM グラベリン・ダンケルク(フランス)
2021-22:ペリステリ・ビタビオティックス・アテネ(ギリシャ)
2022   :ガジアンテプ・バスケットボール(トルコ)


高校時代から非凡な才能を発揮

1993年12月20日にフロリダ州オーランドで生まれ、フロリダ州ウィンターガーデンのウェストオレンジ高校でバスケットをプレイ。3年生時は、1試合平均15得点、8リバウンドを記録し、ガルフショアーズ・トーナメントでMVPを受賞。
4年生時には、1試合平均19得点、8リバウンドを記録し、チームを23勝8敗で地域決勝進出に導いた。レイク・ハイランド・プレップ戦では9本の3Pシュートを含む38得点のハイスコアを記録。19チームからなるオーランド・メトロ・カンファレンスで6位となり、ポストシーズンではフロリダ8Aのセカンドチームにも選出された。


カンファレンスを代表する選手への成長

2012年にケンタッキー州のマリー州立大学に進学し、ルーキーイヤーとなった2012-13シーズンは24試合に出場、1試合平均8.6分、1.6得点、1.9リバウンドを記録。翌年の成長に期待が掛かっていたが、怪我の影響で2013-14シーズンはレッドシャツで全休することとなった。
2013年にルイジアナ工科大学に転校し新たな環境でプレイを選択。2014-15シーズンは全36試合に先発出場し、8試合で得点リーダー、12試合でリバウンドリーダー、3回のダブルダブルを記録。シーズン最初の5試合を含む20試合で二桁得点を記録するなど才能を開花させた。1試合平均11.4得点、5.6リバウンドでチームを牽引し、レギュラーシーズン15勝3敗でカンファレンス1位となったが、カンファレンストーナメント準決勝で敗退した

2015-16シーズンは、シーズン終盤に膝を負傷し3試合の欠場を余儀なくされたが出場した30試合中29試合で先発出場。1試合平均16.2得点、チームトップの7.4リバウンドを記録、さらにチーム最多の8回のダブルダブルを記録した。カンファレンスUSAの週間最優秀選手賞に2度選出され、12勝6敗とカンファレンス3位でトーナメントに出場。準々決勝でカンファレンス同率3位のオールド・ドミニオン大学と対戦しマクリーは15得点、6リバウンドを記録するも68-52で惜敗した。
この年マクリーはオールカンファレンスUSAセカンドチーム、NABCオールディストリクト11セカンドチーム、オールルイジアナ・セカンドチームに選出された。

大学最終年となった2016-17シーズンは、33試合全てに先発出場、33試合中31試合で二桁得点をあげ、そのうち30点以上の得点は2試合、20点以上の得点は10試合。さらにチーム最多カンファレンス2位の13回のダブルダブルを記録するなどキャリア最高のパフォーマンスを披露。このシーズン、チーム1位の1試合平均17.7得点、8.9リバウンドを記録し、チームを14勝4敗でカンファレンス2位へ導き、カンファレンストーナメントへ進出。
トーナメントでは、準々決勝でアラバマ大学バーミンガム校と対戦しマクリーは20得点、16リバウンドのダブルダブルの活躍で69-57で撃破し準決勝へ進出。カンファレンス6位のマーシャル大学との対戦では、16得点、8リバウンドを気を吐くも格下相手に93-77で大敗を喫してしまった。
最終学年でマクリーはオールカンファレンスUSA・ファーストチーム、NABCオールディストリクト11ファーストチーム、USBWAオールディストリクトVII、オール・ルイジアナ・ファーストチームを受賞し、カンファレンストップの選手として成長を遂げた。

▼ルイジアナ工科大学でのハイライトプレイ



NBAでのプレイを目指しDリーグでプレイ

大学卒業後、2017年のNBAドラフトへエントリーするも、どのチームからも指名を受けられず、NBAサマーリーグのヒューストン・ロケッツのサマーリーグチームの一員として3試合プレイしたが、1試合平均13.7分のプレイで1.7得点、1.3リバウンドとアピールすることができず、しかし9月18日にマイアミ・ヒートとトレーニングキャンプチームの契約を結びNBAデビューへ兆しが見えたが、レギュラーシーズンが始まる直前でヒートからカットされてしまい、その後NBAデベロップメント・リーグ(現在のGリーグ)に所属するスーフォールズ・スカイフォースでプレイすることとなる。
2017-18シーズンはスーフォールズ・スカイフォースで13試合中8試合に先発出場し、平均29分間の出場で16.2得点、5.3リバウンドを記録しアピールすると、24歳の誕生日の翌日である2017年12月21日にユタ・ジャズからコールアップされ晴れてNBAデビューを果たすこととなる。
同じフォワードポジションのエリック・グリフィンのスポットに代わりロスター入りし、シーズンの残りを通して、ジャズとその下部組織であるソルトレイクシティ・スターズの間でプレイ。2018年2月5日のニューオーリンズ・ペリカン戦でNBAデビューを果たし、マクリーは約2分間でプレイし、試合は133-109で勝利した。その後合計で4試合ジャズでプレイしたものの、得点0とアピールには至らず、ソルトレイクシティ・スターズでは22試合中21試合に先発出場し、18.9得点、5.1リバウンド、2.4アシストを記録した。

▼2017-18シーズンGリーグでのハイライトプレイ



更なる成長を求めヨーロッパでのプレイを決意

2018年7月1日にジャズからフリーエージェントとなり、2018年8月1日にイタリア1部のセリエAに所属するコンサルティンベストVLペーザロと契約。27試合に出場し1試合平均33.7分、18.4得点、5.0リバウンド、1.0アシスト、1.2スティールを記録したものの、チームは16チーム中15位の7勝23敗と降格ギリギリの成績でシーズンを終了した。
その後、再びNBAへ挑戦するために2019年のサマーリーグにオーランド・マジックの一員として参加。3試合中2試合に先発出場し、初戦のサンアントニオ・スパーズ戦ではチームトップの16得点を記録し勝利に貢献。続くデンバー・ナゲッツ戦でもチームトップの17得点を記録したもののチームは敗戦。第三戦のマイアミ・ヒート戦ではベンチからの出場で21分出場したが3得点と調子を落としてしまう。その後の2試合には出場せず、1試合平均25.0分間の出場で、12.0得点、2.0リバウンド、1.3アシストを記録しアピールしたものの、NBAチームと契約に至ることはなかった。

2019年7月26日にフランスのプロリーグであるLNB ProAに所属するBCM グラベリン・ダンケルクと契約。19試合に出場し、チームトップの1試合平均15.1得点、5.8リバウンド、1.4アシストを記録、3Pシュート成功率も43.6%と好成績を残した。しかしチームは負け越しが続き18チーム中17位の7勝18敗でシーズンを終えた。
シーズン終了後、2020年10月6日にデンマーク1部のバスケットリーガエンのバッケン・ベアーズと契約を発表。したが2試合のみの出場で、再びフランスのBCM グラベリン・ダンケルクに戻り、11試合に出場し1試合平均31.2分、13.8得点、6.7リバウンド、3.4アシスト、1.0スティールを記録し、チームの中心メンバーとして活躍した。

2021年のオフに再びNBAのサマーリーグに参戦し、ポートランド・トレイルブレイザーズの一員としてプレイするも1試合の出場で無得点に終わり、再びヨーロッパでプレイすることとなる。
2021-22シーズンは、ギリシャバスケットリーグに所属するペリステリ・ビタビオティックス・アテネと契約し、リーグ戦とチャンピオンズリーグでプレイ。10試合で1試合平均25.8分、10.2得点、4.5リバウンド、1.3アシストを記録し、3Pシュート成功率がキャリアハイの44.4%を残した。
シーズン途中の2022年1月14日に、トルコのバスケットボールスーパーリーグに所属するガジアンテプ・バスケットボールへ移籍し、残りのシーズンをプレイ。7試合のみの出場で、1試合平均28.0分、8.7得点、4.3リバウンド、1.7アシストと数字は落としてしまった。

■2021-22 Season Highlights



ヨーロッパを離れ新天地として日本を選択

2022年6月17日に滋賀レイクスターズがエリック・マクリーと2022-23シーズンの契約を交わしたと発表。
2021-22シーズンは14勝43敗と西地区10位と低迷してしまいBリーグ設立以来未だプレーオフ進出を経験していない。
今シーズンは新たに戦力補強に集中し、テーブス 海、杉浦 佑成、狩野 祐介の日本人選手を獲得、さらに外国籍選手も総入れ替えし、ジェイコブ・ワイリー、イヴァン・ブバ、そしてエリック・マクリーといったオフシーズンの戦力補強に成功した。
機動力とシュート力のあるマクリーはスモールフォワードでのプレイが多くなると思われるため、彼の爆発力が球団初のプレーオフ進出の鍵となりそうだ。


▼ジェイコブ・ワイリー選手の紹介はこちら