NCAAの大学を卒業したばかりのケヴェ・アルマと契約!

2022年7月27日に新潟アルビレックスBBがケヴェ・アルマと2022-23シーズンの契約を交わしたと発表された。



アルマは、アメリカ出身でNCAAディビジョン1のバージニア工科大学を卒業したばかりのビッグマンで、機動力が高く2022年NBAのドラフトではピックされなかったが、サマーリーグでメンフィス・グリズリーズの一員としてプレイした実力の持ち主である。
NBAのスカウトマンも注目する高いポテンシャルを秘めたケヴェ・アルマがどんな選手なのか紹介したい。


ケヴェ・アルマ
Keve Aluma



■プロフィール
出身    :アメリカ合衆国
生年月日  :1998年12月31日(23歳)
身長    :206 cm
体重    :107  kg
出身校   :バージニア工科大学
ポジション :パワーフォワード/センター

■経歴
2022  :新潟アルビレックスBB


サッカーからバスケへ転身し大学注目のプレイヤーへ
1シーズンNBAでプレイしたピーター・アルマと、ベサニーとの間に生まれ、メリーランド州で育つ。高校入学までサッカーをプレイしておりバスケットボールとは無縁であったが、地元のメリーランド州ベルリンのスティーブン ディケーター高校に入学時すでに身長が200cmあり、バスケットボール選手へ転身することとなった。
高校では3年間のスターターとして活躍し、ファーストチーム・オールカンファレンス、ファーストチーム・オールリージョン、3年次にはチームを州の決勝戦へ導く活躍で一躍注目プレイヤーとなり、ロヨラ大学、テキサス大学エルパソ校、メリーランド大学などからのスカウトがあったが、NCAAディビジョンIのウォフォード大学へ進学する。

大学1年生時の2017-18シーズンは、33試合に出場し1試合平均13.3分、2.5得点、3.4リバウンドとバックアップとしてプレイをしていたが、続く2年目の2018-19シーズンでは34試合に先発出場することとなり、1試合平均26.6分、6.9得点、6.8リバウンドを記録し、リバウンドはチーム2番目に多い239リバウンドをマーク、2桁得点は8回、ダブルダブル2回、オフェンスリバウンドはサウスカンファレンスで5位の1試合平均2.8本を記録し飛躍の年となった。
チームもカンファレンス18戦全勝、シーズン30勝5敗と1位を記録し、シーズンチャンピオン、カンファレンスチャンピオンとしてNCAAトーナメントへ出場。1回戦でシートンホール大学と対戦し84-68で勝利したが、2回戦で強豪のケンタッキー大学と対戦。アルマは7得点、11リバウンドを記録するも、現在マイアミ・ヒートで活躍するタイラー・ヒーローや島根スサノオマジックに在籍しているリード・トラビスなどが率いるケンタッキー大学に56-62で惜敗した。

2019年にウォフォード大学のヘッドコーチを務めていたマイク・ヤングが同じアトランティックコーストカンファレンス(ACC)に所属するバージニア工科大学へ移籍し、それを追いかけるようにアルマもバージニア工科大学へ移籍を決意。NCAAのルールにより、2019-20シーズンは出場することができなかった。
そして新天地で迎えた、2020-21シーズンでは22試合すべてに先発出場し1試合平均30.6分、15.2得点、7.9リバウンド、2.2アシスト、1.3ブロックを記録しチームのエースとして活躍でAll-ACCセカンドチームに選出された。9勝4敗でカンファレンス3位の9勝4敗、シーズン15勝7敗でACCトーナメントへ進出。準々決勝で登場したが第6シードのノースカロライナ大学に73-81で敗戦。NCAAトーナメントでも初戦でフロリダ大学と対戦し、オーバータイムの末70-75で惜敗し、アルマ個人は7得点、7リバウンド、5ファールと数字を残すことができずに移籍後の新シーズンはほろ苦いデビューとなった。そしてシーズン終了後、2021年のNBAドラフトへエントリーすることを宣言したが、最終的にそれを取り止め大学最終シーズンへ望むこととなる。

大学最終年の2021-22シーズンは、36試合全てに先発出場し1試合平均15.8点で2年連続でチームのリーディングスコアラーとして活躍し、チーム最多8回のダブルダブルを記録。2年連続でオールACCセカンドチームに選出された。
ACCトーナメントでは2回戦から出場し、クレムソン大学を相手に19得点、10リバウンドを記録し試合もオーバータイムの末に76-75で勝利。準々決勝では第2シードのノートルダム大学と対戦しアルマは20得点を記録しチームを牽引し87-80とアップセットし、続く準決勝で昨シーズン敗れたノースカロライナ大学と対戦。この試合でも終始格上のチームを圧倒し18得点を記録し72-59でリベンジに成功した。
そして迎えた決勝戦では第1シードの名門デューク大学との対戦となり下馬評ではのちの2022年NBAドラフト全体1位指名となるパオロ・バンケロが率いるデューク大学が優勢であったが、前半42-39とバージニア工科大学がリードして後半戦へ進むと40-28とデューク大学を圧倒し、アルマも19得点、10リバウンドと活躍し82-67でACCトーナメント優勝を飾った。

アルマはこのシーズンで、NABCオールディストリクトIIセカンドチーム、USBWAオールディストリクト、ACCオールトーナメントファーストチーム、オールACCセカンドチーム、リュート・オルソン賞ミッドシーズン・ウォッチリスト、カール・マローン ウォッチリスト、オールACCアカデミックチーム、VaSIDオールステートファーストチームなど数々のタイトルに選出された。

■2021-22 ACC championship Virginia Tech vs. Duke



夢のNBAデビューへサマーリーグ参戦

バージニア工科大学を卒業し、NBAドラフトへエントリーを表明したもののどのチームからも指名されずトレーニングキャンプやサマーリーグでのアピールが必要となった。
ラスベガスとユタで開かれたサマーリーグでは、メンフィス・グリズリーズの一員としてプレイ。
ラスベガスでは3試合に出場し1試合平均7.6分、2.7得点、1.3リバウンドと中々数字が伸びず、続くユタで行われた試合でも1試合に出場し11.2分出場し、0得点、2リバウンド、1ブロックとプレイタイムをもらえたが結果を残すことができず、NBAチームから声がかかることはなかった。
その後、Gリーグでプレイをする選択肢もあったが、新潟アルビレックスBBの平岡富士貴ヘッドコーチからのオファーでBリーグでのプレイを選択した。

BリーグからNBAプレイヤーを目指すのは日本人だけじゃない

馬場雄大(元アルバルク東京)や富樫勇樹(千葉ジェッツ)、比江島慎(宇都宮ブレックス)など、これまでBリーグからNBA挑戦しているが、決して日本人プレイヤーだけではない。ケヴェ・アルマもその1人である。日本のリーグはNBAからはなかなか注目のされないが、元NBAプレイヤーやユーロリーグで活躍していた外国籍プレイヤーがBリーグでもプレイしておりレベルは高い。

9月4日に行われた愛媛オレンジバイキングスとのプレシーズンマッチでは、30分プレイしチームトップの18得点、10リバウンド、2アシスト、3P成功率50%(4/8)を記録し存在感をアピールした。
Bリーグで活躍し、再びトレーニングキャンプやサマーリーグへ参戦し本来の実力を発揮できれば夢の「BリーグからNBAプレイヤーの誕生」が見れるかもしれない。
(恐らく外国籍プレイヤーでもBリーグからNBAプレイヤーになった選手はいないはず…いたらすみません笑)

■Keve Aluma NBA Draft Tape | Virginia Tech Forward