ヨーロッパで活躍したスモールフォワード、トーマス・ウィンブッシュと契約!
2023年6月16日に川崎ブレイブサンダースがトーマス・ウィンブッシュと契約を交わしたとが発表された。
アメリカ国籍でフェアモント州立大学を卒業し、NBAの下部組織Gリーグでキャリアをスタートさせその後ドイツやフランス、ロシア、イタリアでプレイ経験を持つスモールフォワード。
2022年に行われたロシア、ベラルーシ、エストニア、カザフスタン、ポーランドの5カ国のチーム間で争われる地域大会であるVTBスーパーカップでMVPを受賞した経歴を持つ。
強豪の川崎ブレイブサンダースへ新加入したトーマス・ウィンブッシュがどんな経歴なのかを紹介したい。
トーマス・ウィンブッシュ
Thomas Wimbush
■プロフィール
出身 :アメリカ
生年月日 :1993年12月8日(29歳)
身長 :201 cm
体重 :88 kg
出身校 :フェアモント州立大学
ポジション:スモールフォワード
■経歴
2012–2017 フェアモント州立大学(NCAA)
2017–2019 ロングアイランド・ネッツ
2019–2020 リーゼン ルートヴィヒスブルク
2020–2021 ペットキム・スポル
2021–2022 ナンテール 92
2022-2023 BC ゼニト サンクトペテルブルク
2023 ナポリバスケット
2023 川崎ブレイブサンダース
■受賞歴
2013-14 MEC最優秀新人賞
2013-14 オールMECセカンドチーム
2014-15 MECオールトーナメントチーム
2015-16 オールMECセカンドチーム
2016-17 オールMECトーナメントチーム
2016-17 オールMECファーストチーム
2016-17 NABCオールディストリクト・アトランティック・セカンドチーム
2022 ユナイテッド リーグ スーパーカップ MVP
学生時代はNCAAディビジョンⅡで活躍
オハイオ州のロレイン高校へ入学すると3年時にはチームを地区決勝へ導き、高校4年生時には1試合平均20得点を記録しオール・ロレイン・カウンティのセカンドチームに選出され2012年LCBBAオールスターゲームにも出場した。
高校を卒業した2012年にウェストバージニア州のフェアモント州立大学へ入学。2012-13シーズンはレッドシャツで出場せず2013-14シーズンからカレッジバスケットデビューを果たす。2013-14シーズンでは、ルーキーながら最初の4試合のうち3試合で二桁得点を記録し、先発の座を獲得。30試合中25試合に先発出場し、チーム3位の1試合平均14.6得点、チーム2位の5.9リバウンド、フィールドゴール成功率54.5%を記録。オールMECのセカンドチームに選出され、MEC最優秀新人賞に選ばれる。
大学2年目の2014-15シーズンもチームの中心選手としてプレイし、32試合中29試合に先発出場を果たすと、開幕戦のマーシーハースト戦で17得点を挙げ、MECトーナメント開幕戦では17得点、9リバウンドを記録。MECトーナメント決勝戦では19得点、10リバウンドのダブルダブルを記録した。1試合平均チーム3位の11.3得点、チーム2位の6.4リバウンドを記録。昨シーズンよりも3P成功率が上がり40.7%を記録した。ディフェンス面でもチーム2位の35ブロック、41スティールを記録。ブロック数はMECで5位、フリースロー成功率は78.1%でカンファレンス8位となる。2015年MECオールトーナメントチームに選出された。
大学3年目の2015-16シーズン、チームのスモールフォワードとして全試合に先発出場を果たす。チーム3位の1試合平均11.0点、チーム2位の5.6リバウンド、シーズンハイの30得点を記録するなど、シーズン最後の16試合のうち11試合で二桁得点を達成した。自身二度目のオールMECセカンドチームに選出された。
大学最終学年の2016-17シーズンでは、37試合すべてに先発出場しチーム最長の平均28.1分出場をし、チーム2位の1試合平均15.9得点、6.6リバウンド、を記録しチームをカンファレンストップの成績へと導き、NCAAディビジョンⅡトーナメント決勝進出へ導く原動力となった。2016-17シーズンのオールMECトーナメントチーム、オールMECファーストチーム、NABCオールディストリクト・アトランティック・セカンドチームに選出された。
高校時代2011-12シーズンのハイライトプレイ
Gリーグを経てNBAでのプレイを目指す
2017年のオフ、大学を卒業したウィンブッシュはNBA入りを目指しドラフトへエントリーするもどのチームからも指名はされず、NBAの下部組織Gリーグのドラフトで全体4位で指名され、ロングアイランド・ネッツへ入団。控えのスモールフォワードとして43試合に出場し、1試合平均17.3分、8.0得点、3.6リバウンドを記録するもフィールドゴール成功率35.9%、3P成功率30.7%とシュート精度に課題を残した。
翌2018-19シーズンは、ラスベガスで行われたNBAサマーリーグへロサンゼルス・クリッパーズの一員として参加。6試合の出場で1試合平均9.7分、2.5得点、1.7リバウンドを記録したがNBAチームと契約することはできず、引き続きロングアイランド・ネッツでプレイ。31試合出場し1試合平均20.1分、9.1得点、3.7リバウンド、フィールドゴール成功率41.6%、3P成功率31.9%と昨シーズンよりも数字は改善することができ、チームはイースタンカンファレンス1位となった。プレイオフでは5試合中4試合に先発出場し、16.6得点、6.6リバウンド、フィールドゴール成功率50.8%、3P成功率44.0%と好調をキープし、決勝の第1戦でチームトップの23得点、6リバウンド、2アシスト、2ブロックで勝利に貢献し続く第2戦でも21得点、5リバウンド、2アシスト、3スティールとチームを牽引するも敗戦。第3戦では8得点、7リバウンド、2アシストと調子を落としチームも敗戦し優勝を勝ち取ることはできなかった。
2019-20シーズンのNBAサマーリーグへも参加し、アトランタ・ホークスの一員としてプレイ。5試合に出場し1試合平均16.1分、7.0得点、3.4リバウンドとアピールするもNBAのチームからは声が掛からず、ヨーロッパへと主戦場を移すこととなる。
2017-18シーズンのGリーグでのハイライトプレイ
新天地としてドイツ、トルコ、フランス、ロシア、イタリアへ
2019-20シーズン、ウィンブッシュはBリーグでも活躍した石崎巧も在籍したことのあるドイツのブンデスリーガ(BBL)に所属するMHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクと契約し、19試合すべてに先発出場を果たすと1試合平均16.9分、10.3得点、3.1リバウンドを記録。この年は新型コロナウイルス感染症のパンデミックでトーナメント形式でシーズンを継続が決定し、予選リーグでは24得点、20得点、30得点と3試合でチームのリーディングスコアラーとなり3勝1敗でチームのプレイオフ進出に貢献。プレイオフではチームは決勝まで進出し決勝第2戦で19得点を記録するも惜しくも準優勝となった。プレイオフ予選も含め10試合で平均27.1分、14.9得点、3.9リバウンドを記録した。
翌2020-21シーズンはトルコのバスケットボールスーパー リーグ(BSL)に所属するペトキム・スポルと契約。チームメイトには秋田ノーザンハピネッツでプレイするスティーブ・ザックが在籍していた。ウィンブッシュは29試合中23試合に先発出場し1試合平均24.3分、10.5得点、5.1リバウンドを記録したがチームはシーズン10勝でリーグ11位に沈んだ。
2021-22シーズンは、フランスのLNB Pro Aに所属するナンテール92と契約。31試合30試合に先発出場し1試合平均31.0分、チーム2位の13.5得点、5.8リバウンド、キャリアハイのFG成功率51.7%、3P成功率39.3%を記録し中心選手として活躍したものの、チームは17勝17敗でリーグ10位とプレイオフ進出を逃した。
2022-23シーズン、ロシアのVTBユナイテッドリーグに所属し昨シーズンチャンピオンのBCゼニトサンクトペテルブルクと契約。チームメイトにはアルバルク東京や富山グラウジーズでプレイしたリチャード・ソロモンが在籍しており共にプレイした。レギュラーシーズンは22試合中7試合に先発出場し平均7.2得点、3.5リバウンドと成績は振るわなかったが、VTBユナイテッドリーグスーパーカップでは、CSKAモスクワとの決勝戦で終了2秒でウイニング3Pショットを決めるなど20得点を記録し71-70で勝利へ導きVTBユナイテッドリーグスーパーカップのMVPに選ばれた。2023年2月7日にイタリアセリエAのナポリ・バスケットへ移籍すると、10試合すべてに先発出場を果たし1試合平均13.7得点、5.9リバウンドと10試合ながらもキャリアハイのスタッツを記録した。
2022-23シーズンのハイライトプレイ
未だBリーグ無冠の川崎ブレイブサンダースへ
そして2023-24シーズンにプレイするのが、Bリーグ屈指の強豪チームである「川崎ブレイブサンダース」。藤井祐眞、篠山竜青、ニック・ファジーカスなど日本代表に名を連ねた選手を要し地区優勝はするものの未だリーグ制覇に手が届かず。新シーズンは野﨑零也、飯田遼、ロスコ・アレンを加え戦力補強し、ウィングプレイヤーとしてウィンブッシュがさらに加入。
サウスポーで驚異的な身体能力からのペイントアタックで得点もできアイソレーションで一人でスコアメイクする能力を有し、30%近い3Pシュート成功率でインサイドもアウトサイドでも活躍できる。ディフェンス面は跳躍力を活かしたブロックやオフェンスリバウンドからのティップインダンクなども期待したい。
一番の注目ポイントはアスレティック能力を活かしたダンクシュートである。ハイライトプレイでなんども映し出されるゲームタイムダンクは迫力満点。ディフェンダーの上から叩き込むポスタライズダンクが日本で見れるかもしれないと思うと今から楽しみな選手である。
スカウティングレポート
※おまけのウィンドミルダンク
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