ヨーロッパリーグで活躍した万能パワーフォワード獲得!

2021年7月19日に、宇都宮ブレックスがチェイス・フィーラーと契約を交わしたと発表された。



スペイン、オランダ、ベルギー、ギリシャ、ドイツなどヨーロッパを主戦場として活躍し、2017年にはプレーオフMVP、2018年にはオールディフェンシブファーストチームに選出された逸材。
2020-21シーズンまで在籍していたライアン・ロシター、ジェフ・ギブスの穴を埋めるプレイヤーになれるか期待されている。そんな彼がどのような選手なのか紹介したい。


チェイス・フィーラー
Chase Fieler




■プロフィール
出身    :アメリカ
生年月日  :1992年6月10日(29歳)
身長    :203 cm
体重    :109 kg
出身校   :フロリダ・ガルフ・コースト大
ポジション :パワーフォワード

■経歴
2010-14:フロリダ・ガルフ・コースト大(NCAA ディビジョン2)
2014-15:クラブ・オウレンセ・バロンセスト(スペイン)
2015-17:ドーナー・グローニンゲン(オランダ)
2017-19:フィロウ・オーステンデ(ベルギー)
2019-20:プロミテアス・パトラ(ギリシャ)
2020-21:ブローゼ・バンベルク(ドイツ)
2021-22:宇都宮ブレックス


ダンク・シティのフィニッシャーとして全米を魅了!

1992年6月10日にウェストバージニア州パーカーズバーグで生まれ、弟のジェイクはバージニア大学でフットボール選手として、妹のライアンはグレンビル州立大学のバレーボール選手として活躍しているスポーツ一家の長男である。
地元のパーカーズバーグサウスハイスクールでバスケットボールをプレイすると、イーストフェアモント戦では42得点を挙げ同校の1試合最多得点記録を更新。さらに20点以上を15回、ダブルダブルを20回達成し、30得点以上の試合を5回記録するなどその頭角を現し、ウェストバージニア州の年間最優秀選手候補に選ばれ、オールステートAAAクラスのファーストチームに選出された。

高校卒業後2010年に、NCAAディビジョン2のフロリダ・ガルフ・コースト大学へ入学。開幕戦のインディアナ戦初の先発出場するなどルーキーイヤーから即戦力として活躍し、30試合中15試合に先発出場を果たし、2月のETSU戦ではキャリアハイの11リバウンド、USCアップステート戦ではシーズン最多の5本の3Pシュートを成功させ、シーズンハイの17得点を記録した。2010-11シーズンは、1試合平均21.3分出場、5.2得点、3.8リバウンド、0.9アシスト、0.5ブロック、0.5スティールを記録し今後期待される成長をみせた。
大学2年目の2010-11シーズンはさらに数字を伸ばし、32試合中28試合に先発出場。フロリダ・ガルフ・コースト大学のシングルシーズン史上2位タイの38ブロックを記録するなどディフェンス面でチームに貢献。1試合平均24.6分、6.8得点、4.4リバウンド、1.9アシスト、1.2ブロックを記録。さらに3P成功率は33.3%と高い水準で決め3&Dプレイヤーとして活躍。そして3年目のシーズンは全米を驚愕させる活躍を残すこととなる。

2012-13シーズンは、持ち前の運動能力と長いウイングスパン、速攻に絡む機動力と高い跳躍力を武器にチームを牽引。37試合すべてに先発出場し1試合平均27.9分、12.1得点、5.4リバウンド、1.6アシスト、1.3ブロック、1.1スティール、FG成功率を56.3%、3P成功率も38.2%とシュート精度も高く、フロリダ・ガルフ・コースト大学史上最高のシーズン通算102ブロックを記録した。
当時のフロリダ・ガルフ・コースト大学は、速攻やアリウープのダンクを1試合で何度も決めるチームで「ダンク・シティ」というニックネームが付き、フィーラーはダンク数でチームトップの59回を記録し、ダンク・シティのフィニッシャーとして活躍。チームは26勝11敗でアトランティック・サンカンファレンスで2位となりカンファレンストーナメントも制しNCAAトーナメントへ進出。フィーラーは快進撃の立役者としてオールカンファレンス・セカンドチームに選出された。
NCAAトーナメントでは第15シードながら初戦で第2シードで、のちにワシントン・ウィザーズで活躍するオットー・ポーターJr.率いるジョージタウン大学に78-68でアップセットし、続く二回戦では浜松・東三河フェニックスや秋田ノーザンハピネッツで活躍したデショーン・スティーブンス率いるサンディエゴ・ステイト大学と対戦し、フィーラーは33分間出場し11得点を記録し81-71で勝利し快進撃に貢献。スウィート16での相手はサウスイースタン・カンファレンス1位のフロリダ大学と対戦し、フィーラーは12得点、6リバウンド、2スティールを記録するも50-62と惜敗しNCAAチャンピオンへの道は閉ざされた。

毎年平均リバウンド数と平均得点数を増加させ大学最終学年となった2013-14シーズンでは35試合すべてに先発出場し1試合平均13.9得点、7.4リバウンド、1.6アシストを記録。シーズンで7回のダブルダブル、20点以上を6回記録するなどチームのエース級の活躍を披露し、アトランティックサンカンファレンスセカンドチームとアトランティックサンオールトーナメントチームに選出され、11月17日にはアトランティックサンカンファレンスの週間最優秀選手にも選ばれた。チームもアトランティック・サンカンファレンス1位の22勝13敗でカンファレンストーナメントへ出場し、決勝では同率1位のマーサー大学と対戦。13得点、9リバウンド、2ブロックと活躍するもチームは60-68で敗れ2年連続NCAAトーナメント出場を逃した。

■2013-2014シーズンハイライトプレイ





ヨーロッパでプロデビューしユーロを代表するインサイドプレイヤーへ


大学卒業後の2014年NBAドラフトにエントリーするもどのチームからも指名はされず、ヨーロッパでプロキャリアをスタートさせることとなった。2014−15シーズンはスペインの2部リーグ(LEBオロ)に属するクラブ・オウレンセ・バロンセストと契約。38試合中36試合に先発出場し1試合平均21.9分、8.6得点、4.3リバウンド、1.1アシスト、1.4スティール、0.7ブロックを記録し、2015年2月20日のCBPウエスカ戦では22得点、12リバウンドのダブルダブルを達成するなど早くも中心選手として活躍。チームは20勝8敗とリーグ2位の成績を収めプレイオフへ進出し、決勝戦まで進みリーグ3位のリベイラ・サクラ・ブレオガン・ルーゴと対戦。第1戦はチームトップの16得点、10リバウンドを記録し勝利に貢献し最終第5戦までもつれる激戦を制し1部リーグのリーガACBへの昇格権獲得に貢献した。

2015−16シーズンは更なる成長を求めてスペインからオランダバスケットボールリーグ(DBL)のドーナー・グローニンゲンへの移籍を決意。開幕戦から先発出場を果たすと27分間出場でFG成功率90%(9-10)3P成功率80%(4-5)フリースロー成功率100%(1-1)と驚異の成功率でチームトップの23得点、5リバウンド、3アシストを記録し122-57で勝利に大きく貢献し、華々しいデビュー戦を飾った。その後もチームの中心をして活躍し36試合中29試合に先発出場し1試合平均27.1分、11.0得点、6.2リバウンド、2.9アシスト、1.4スティール、1.6ブロックを記録。チームはレギュラーシーズン3位の21勝7敗と好成績を収めプレイオフへ進出し、破竹の勢いでトーナメントを駆け上がりファイナルではレギュラーシーズン1位のランドセーデ・ハマーズに対して4勝1敗と快勝し、フィーラーはオランダリーグ参戦1年目でリーグ制覇に大きく貢献した。
ドーナー・グローニンゲンと1シーズン再契約し2016-17シーズンもオランダリーグでプレイすることとなる。昨シーズンと変わらなず他のチームを圧倒しレギュラーシーズン1位の26勝2敗を記録し、フィーラーは26試合中25試合先発出場し1試合平均29.0分、15.4得点、7.8リバウンド、2.5アシスト、1.2スティール、1.3ブロックを記録。快進撃の立役者の一人であるフィーラーはオールDBLチームに選出された。驚異の強さを誇ったチームはプレイオフでもセミファイナルで4連勝、決勝でも4勝1敗と今シーズン3敗のみでリーグ王者となり二連覇を達成。フィーラーはプレイオフで平均13.7得点を記録しDBLプレイオフMVPに選出された。

■2016-17シーズンドーナー・グローニンゲンでのハイライトプレイ




二連覇を成し遂げドーナー・グローニンゲンとの契約も終了。2017年6月21日にベルギーのバスケットボールリーグに所属するBCオーステンデと2年契約を締結し再び新天地でプレイすることを選択。ベルギーリーグでも最も実績のあるチームであり、強豪チームでどこまで実力を証明できるかに期待がかかった。
2017-18シーズンのベルギーリーグデビューは早速先発出場し、チーム最長となる30分間のプレイで11得点、8リバウンドとインサイドを支配し85-74で勝利に貢献しデビュー戦を勝利で飾った。その後も34試合すべてに先発出場を果たしレギュラーシーズンでは1試合平均9.5得点、3.5リバウンド、2.2アシストとこれまでのキャリアでもワーストの数字となったが、3P成功率は脅威の50.5%と高い数字を残した。
チームは29勝7敗でリーグ1位の成績でプレイオフへ進出し驚異の全戦全勝でリーグ制覇を成し遂げフィーラーにとって3年連続で優勝を経験した。続くヨーロッパチャンピオンズリーグでは6勝8敗とグループDで6位の成績となり、プレイオフへは進出できなかったがユーロカップへの出場権を獲得。ユーロカップのプレイオフからの出場となったが、予選リーグを勝ち上がってきたモンテネグロリーグのモルナールと対戦し1勝1敗であったが得点差で初戦敗退を喫してしまった。フィーラーは平均11.5得点、6.0リバウンド、4アシストを記録した。

翌2018-19シーズンもオーステンデでプレイし、昨シーズンと変わらずスターティングメンバーで活躍。31試合出場で9.6得点、4.0リバウンド、2.2アシストと昨シーズンと変わらない数字だったが、フリースロー成功率83%を記録。チームはディフェンディングチャンピオンとしてさらにレギュラーシーズンは29勝7敗とリーグ2位の成績を残しプレイオフへ進出し無敗のまま決勝まで駒を進めた。決勝戦ではリーグ1位のテレネット・アントワープ・ジャイアンツと対戦し、3勝1敗で連覇を達成しチャンピオンズリーグの出場権を獲得した。
ヨーロッパチャンピオンズリーグでは7勝7敗でグループDを6位で終わり決勝トーナメントへ進むことはできず、フィーラーは14試合全てに先発出場し1試合平均25.9分、10.1得点、3.5リバウンド、2.5アシスト、0.8スティール、0.4ブロックを記録した。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントから外れたためユーロカップに出場し1回戦でフィーラーの古巣であるドーナー・グローニンゲンと対戦し勝利、準々決勝ではイタリアリーグのパラカネストロヴァレーゼと対戦したが2連敗を喫してしまい準決勝へ進むことはできなかった。フィーラーは4試合に先発出場し1試合平均28.3分、11.5得点、3.5リバウンド、4.0アシスト、1.5スティール、1.5ブロックを記録した。

■2018-19Basketball Champions Leagueでのハイライトプレイ




BCオーステンデとの2年契約が終了し、2019年6月にギリシャバスケットリーグのプロミテアス・パトラと契約を結んだ。開幕2戦目にベンチ出場ながらギリシャリーグデビューを果たし、23分間で4得点、3リバウンド、2アシスト、1スティール、2ブロックとオールラウンドに数字を残し88-55で初陣を勝利で飾った。その後は14試合で8試合先発出場し徐々にチームにも馴染み始めていたところ、2020年3月にコロナウイルスの影響でシーズンが途中で中止となってしいその影響もありフィーラーは1試合平均8.5得点、2.3リバウンド、1.9アシスト、1.0スティール、0.4ブロックとキャリアワーストの数字となってしまった。しかしながらインパクトのあるプレイからHEBAギリシャオールスターゲームに選出されギリシャでも人気の選手となった。またレギュラーシーズン途中終了でリーグ4位でチーム史上初のユーロカップへの出場権を獲得。同じくコロナウイルスの影響でシーズンが途中で中止となってしまったがフィーラーは13試合中6試合に先発出場し1試合平均20.7分、8.5得点、2.3リバウンド、1.6アシストを記録した。

1シーズンで契約が満了したため、2020年7月にフィーラーはドイツバスケットボールのブンデスリーガに所属するブローゼ・バンベルクと契約。開幕戦はベンチ出場ながら28分間出場し8得点、チームハイの7リバウンド、2アシスト、3スティール、2ブロックと攻守で活躍し勝利に貢献。さらに開幕3戦目では21得点とシーズンハイを記録するなど33試合中4試合のみ先発出場し6thマンとしての活躍が多くなり、2020-21シーズンは1試合平均20.9分、9.4得点、3.2リバウンド、2.2アシストを記録しチームも17勝17敗でリーグ8位でプレイオフ進出。1回戦でリーグ1位のジャイアンツ・ルートヴィヒスブルクと対戦し、最初の2戦は落としたが第3戦からホームコートに戻り破竹の2連勝をあげ最終第5戦にもつれる接戦となった。しかし快進撃もここまでで95–73でプレイオフ1回戦で敗退しシーズンが終了した。



新天地としてヨーロッパを離れ日本へ上陸!

2021年7月に宇都宮ブレックスへの入団が発表され、ジョシュ・スコットに次ぐ2人目の外国籍選手として契約を交わした。昨年の2020-21シーズンの宇都宮ブレックスはBリーグチャンピオンシップファイナルで4シーズンぶりに決勝に進出し準優勝の成績を収めた。しかしチームの中心でもあったライアン・ロシターやジェフ・ギブスが退団したことによりインサイドの要が必要となっていた。
宇都宮ブレックスはリーグ屈指のディフェンス力を誇りインサイド・アウトサイドどちらも高いクオリティでクリエイトすることができる。チームバスケットを武器とするブレックスにとって、フィーラーのような機動力がありインサイドのみならずアウトサイドショットもこなすこともができ、広い視野からポストプレイをしながらチームメイトを活かすアシストもできる高いバスケットIQも兼ね備えている。彼のような攻守で万能なインサイドプレイヤーは退団したロシターに近いものを感じる。
2021年10月1日に行われた群馬クレインサンダーズとの開幕戦では先発出場で19分間プレイし5得点、7リバウンドを記録しするもチームは69-75で敗戦しデビュー戦を勝利で飾ることは出来なかった。シーズン前半はシュート精度に苦戦しみ開幕2戦目以降ベンチからの出場が多くなるも、徐々にチームにも馴染み本来の輝きを取り戻し2021年12月の信州ブレイブウォリアーズ戦では24分間出場し3Pシュート5本全て成功させシーズンハイとなる27得点を記録し勝利に貢献した。26試合消化した時点で平均9.2得点、4.7リバウンド、2.0アシストを記録しているが好不調の波があるので優勝戦線へ絡むには安定した数字を残すことが必須課題ではある。
フィーラーのポテンシャルがあれば相手チームの脅威になることは間違いないので、彼の後半戦の活躍に注目をしたい。

■2021年12月5日の信州ブレイブウォリアーズ戦ハイライト