宇都宮ブレックス初のアジア特別枠!インドネシア代表のスウィングマン獲得!

2021年8月26日に、宇都宮ブレックスがブランドン・ジャワトと契約を交わしたと発表された。
インドネシア国籍でインドネシア初のBリーガーとなり、宇都宮ブレックスにとっても初となるアジア特別枠での登録となった彼がどのような選手なのか紹介したい。


ブランドン・ジャワト
Brandon Jawato


■プロフィール
出身    :インドネシア
生年月日  :1993年6月3日(28歳)
身長    :193 cm
体重    :98  kg
出身校   :ハワイ大
ポジション :スモールフォワード

■経歴
2011-15:ハワイ大(NCAA ディビジョン1)
2016  :ペリタ・ジャヤ・バクリー・ジャカルタ(インドネシア)
2018-19:CLS Knights Indonesia(インドネシア)
2019-20:Indonesia Patriots(インドネシア)
2021- :宇都宮ブレックス(B.LEAGUE / B1)


幼少期から大学までアメリカでプレイ

カリフォルニア州サンタモニカで生まれ、カリフォルニア州のエルセグンド高校へ入学。2年連続で得点王に輝き、4年生時には1試合平均21.5得点、8.5リバウンド、2.0アシスト、1.5スティールを記録してパイオニア・リーグのMVPに選ばれ、SBACシニアオールスターゲームにも出場した。

2011年に高校を卒業しハワイ大学へ進学し、1年目はレッドシャツで出場ななく、2年目の2012-13シーズンからルーキーとしてスタート。28試合中4試合で先発出場し、1試合平均17.1分、6.1得点、1.0リバウンド、0.4アシストを記録。3P成功数は43本で3P成功率もチームトップ41.3%を記録。チームはレギュラーシーズン10勝8敗で5位でカンファレンストーナメントへ進出し、レギュラーシーズン4位のカリフォルニア大学アーバイン校と対戦し、ベンチ出場で17間出場するも0得点に終わり60-71で敗戦した。

翌シーズン以降は出場機会も少なくなり、2013-14シーズンは14試合でスタメン出場はなく1試合平均で3.6分の出場に留まり、翌2014-15シーズンは6試合のみの出場とさらに減り平均5分の出場で1.0得点、0.5リバウンドと数字も伸ばすことができなかった。

■エルセグンド高校時代のハイライトプレイ



大学卒業後は母国インドネシアリーグでデビュー

レッドシャツでもう1年大学でのプレイをする権利があったが、その権利を破棄しプロへの転身を決意。インドネシアリーグ(IBL)のペリタ・ジャヤ・バクリー・ジャカルタに入団しプロデビューを果たす。2015-16シーズン28勝5敗でレギューラーシーズン2位でプレイオフへ進出し、決勝戦はレギュラーシーズン1位のCLSナイツ・インドネシアと対戦。スターターとして出場し第1戦は28分間出場しチームトップの24得点、12リバウンドのダブルダブルを記録するも54-59で勝利に結びつかず、続く第2戦でもスターターとして34分間の出場しチームトップの21得点、7リバウンド、2アシストを記録するも61-67と2連敗を喫し惜しくもリーグ制覇を逃した。

しかし2017年にIBLの新ルールで外国籍プレーヤーは各チーム試合に1人しか出場できず、アメリカで生まれ育ったブランドンは外国籍選手という扱いとなってしまったため、プレイ時間の短縮が余儀なくされた。このルールのため2シーズンほぼ出場機会はなく、 2018年にはアメリカへ一時帰国することとなった。
母国インドネシアでのプレイが制限されていた中、彼に声をかけたのは2015-16シーズンに決勝戦で対戦したCLSナイツ・インドネシアであった。すでにチームはIBLリーグから東南アジア諸国連合加盟国によって2009年に発足したABL(Asean Basketball League)に移っており、リーグが違うことにより外国籍選手のルールはクリアとなり晴れてインドネシアでバスケットボールをプレイすることができた。

2018-19シーズンは、CLSナイツ・インドネシアの一員としてプレイ。26試合すべてに出場し1試合平均31.2分、13.3得点、4.5リバウンド、2.7アシスト、1.1スティールを記録し、チームも15勝11敗とリーグ4位の成績でプレイオフへ進出。準決勝でベトナムのサイゴンヒートを破り、準決勝でタイのモノヴァンパイアを撃破。決勝ではシンガポールのシンガポール・スリンガーズと対戦し最終第5戦までもつれたシリーズを3勝2敗と制しABLチャンピオンに輝いた。

チームの優勝に大きく貢献したブランドンは他チームからのスカウトの目に留まり、2019-20シーズンは再びIBLのインドネシア・パトリオッツへ移籍を決めた。レギュラーシーズン13試合すべてに出場し1試合平均25.8分、16.7得点、6.5リバウンド、1.8アシスト、1.4スティールを記録し、レギュラーシーズン1位となる11勝2敗に大きく貢献した。

■Brandon Jawato's IBL 2020 Highlights



困難を乗り越え初のインドネシア代表デビュー

ブランドンは2019年にインドネシアリーグ制覇に貢献したことで注目を集め、代表招集されるかに思われたがインドネシアリーグでもネックとなっていたアメリカ国籍であることが理由でFIBAバスケットボール・ワールドカップ予選のメンバーには選出されることはなかった。そして2020年の終わりに正式にインドネシアの国籍を取得することができ、2021年に初の代表招集をされることとなった。

待望のデビュー戦となったFIBAアジアカップ2021予選では、31分出場しチームトップの22得点、8リバウンド、8アシスト、1スティールとオールラウンドに活躍し、タイに86-69と快勝した。華々しいデビューを飾り、インドネシア代表のエースとして牽引すると思われたものの怪我のために1試合のみの出場となった。

翌年2021年のFIBAワールドカップアジア地区予選にも代表として招集され、第1戦のレバノン戦でスタメン出場し28分、チームトップの13得点、8リバウンドを記録するも38-96と大敗。続くレバノンとの第2戦でもスタメン出場し33分間で20得点、6リバウンド、2アシスト、3スティールと1人気を吐くが110-64と2試合連続で大敗を喫してしまった。

■22/8/8 - Brandon Jawato's impressive debut performance for Indonesia | FIBA Asia Cup 2021 Qualifiers




Bリーグ初のインドネシアプレイヤーとして来日
2021年のアジアカップでの圧倒的な活躍により、2020-21シーズンにBリーグファイナルまで進んだBリーグ初代王者、宇都宮ブレックスが彼に目を付けた。現在新潟アルビレックスBBで活躍するコービー・パラス獲得を狙っていたが断念しブランドン獲得に乗り出したとされている。
オールラウンドにプレイでき、宇都宮ブレックス初のアジア特別枠として絶対的エースであったライアン・ロシターの抜けた穴を埋める活躍が期待された。

しかし、コロナウイルスの蔓延による合流の遅れと層の厚いチームないでのプレイタイム争いでなかなか、2021年10月16日に行われた茨城ロボッツとの北関東ダービーでBリーグデビューを果たし、3分間の出場のみで無得点で終わったが、10月24日に行われたサンロッカーズ渋谷戦でフリースローを沈め来日初得点を決め日本でのデビューを飾った。
現在は層の厚いチームの中でローテーションには入れておらず、24試合終了時点で未だ4試合のみの出場に留まっている。アドバンテージが取れるアジア特別枠だがまだその効果を活かしきれていないように感じる。機動力と爆発力を兼ね備えているブランドンであるのでチームスタイルにフィットし始めればプレイタイムも与えられ王座奪還に大きな力となるに違いない。まだまだ秘めた力を発揮できていない「秘密兵器」となりえるのか今後の活躍に期待をしたい。

■Bリーグデビュー戦



■#3 ジャワト選手、Bリーグ初得点!Jawato scored his first points in B.LEAGUE