Bリーグも4シーズン目に突入し、日本にもロバート・サクレ、ハシーム・サビートなど多くの有名元NBAプレイヤーがプレイするようになってきた。
そこで、今回は日本でプレイして欲しい元NBAプレイヤーを可能性を度外視して独断と偏見で選んでみた。


■カーメロ・アンソニー


■プロフィール
氏名    :カーメロ・アンソニー
出身    :アメリカ
生年月日  :1984年5月29日(35歳)
身長    :203 cm
体重    :109 kg
出身校   :シラキュース大学
ポジション :スモールフォワード/パワーフォワード
NBAドラフト:2003年 3位 

■経歴
2003-2011:デンバー・ナゲッツ
2011-2017:ニューヨーク・ニックス
2017-2018:オクラホマシティ・サンダー
2018    :ヒューストン・ロケッツ

■受賞歴
NCAAチャンピオン:2003
得点王:2013
オールNBA2ndチーム:2010、2013
オールNBA3rdチーム:2006、2007、2009、2012
NBAオールスターゲーム出場:2007、2008、2010~2017
NBAオールルーキー1stチーム:2004
NBAルーキーチャレンジMVP:2005

■代表歴
アメリカ合衆国:2004~2016
銅メダル:2004アテネオリンピック
金メダル:2008北京オリンピック
金メダル:2012ロンドンオリンピック
金メダル:2016リオデジャネイロオリンピック
USAバスケットボール男子年間最優秀選手:2006、2016

言わずと知れたNBA歴代トップスコアラー
NBAキャリアにおいて、オールスター選出10回、オールNBAチーム選出6回、そして得点王にも輝き、キャリア平均24.0得点、通算2万5,551得点という見事な実績を誇るスーパースター選手。
1試合62得点を記録するなど、個の力は世界トップクラスである。Bリーグに来れば、そのスコアリング能力を発揮し得点王も狙えるであろう。
また、日本のNBAファンの中でも彼のファンは多い。再び彼のプレイが、それも日本で見れるとなれば会場へ足へ運ぶ人も増え、集客面でも効果を発揮するはずだ。

日本でもプレイ面とサラリーが問題か
しかし、そんなスター選手も、現在はどのNBAチームとも契約を交わしていない。
自分の活躍のプライオリティが高く、チームファーストではないエゴの強さと、ディフェンス力の問題を抱えているため、どのチームも手を出さずにいる。
Bリーグでなら、平均30得点以上は優に超えられるとは思うが、チームケミストリーへの不安は残る。個を優先するカーメロのプレイスタイルにチームメイトの不満が溜まらないか、ヘッドコーチとしても戦術プランにも頭を悩ませられるであろう。
プレイ面もさることながら、サラリーの問題もクリアしなければならない。最後に在籍したロケッツではベテラン最低保証額の約2億7000万円で契約した。日本でプレイするためにはそれ以上のサラリーが必要と考えると、可能性としてはほぼないと言えるだろう。
金銭的に耐えうるチームは日本で数少ないが、もし入団が実現すればこれほど嬉しいことない。

オフシーズンに行われたピックアップゲームでの様子
※グレーのスウェットパンツがカーメロ



モンタ・エリス

■プロフィール
氏名     :モンタ・エリス
出身     :アメリカ
生年月日   :1985年10月26日(33歳)
身長     :193 cm
体重     : 84 kg
出身校    :ラニアー高校
ポジション  :ポイントガード/シューティングガード
NBAドラフト:2005年 40位 

■経歴
2005-2012:ゴールデンステート・ウォリアーズ
2012-2013:ミルウォーキー・バックス
2013-2015:ダラス・マーベリックス
2015-2017:インディアナ・ペイサーズ

■受賞歴
MIP(最成長選手賞):2007

ステフェン・カリーとコンビを組んだ攻撃的ガード
191cmと小柄ながら身体能力が高く、優れたスピード、跳躍力を武器にカットインして得点を量産する「スラッシャータイプ」のオフェンシブガードとして活躍。
今や現役最強プレイヤーの1人であるステフェン・カリーがまだNBAに入団したての頃、エースとしてプレイしていたのがエリスだ。
NBAキャリア12年で平均17.8得点、3.5リバウンド、4.6アシストを記録しているが、最後にNBAでプレーしたのは、ペイサーズに所属した2016-17シーズン。それ以降はどのチームにも所属はしていない。

33歳のベテランがスピードと身体能力をどうカバーするか
今年のオフシーズンにNBA復帰を目指してワークアウトを行ったとの情報があり、まだプレイできると自信を覗かせているが、未だにNBAチームとの契約はできていない。
最近のピックアップゲームのプレイを見る限り、やはり全盛期と比べスピードと身体能力は衰えているが、まだオフェンスでは活躍できるポテンシャルはありそうだ。
全盛期のプレイに魅了された私としては、日本でのプレイを見てみたい選手の一人である。

新人王のルカ・ドンチッチなどが参加したオープンランでの様子
※黒のタンクトップ、グレーのハーフパンツ(途中上半身裸)でプレイするのがモンタ・エリス


■デロン・ウィリアムズ

■プロフィール
氏名     :デロン・ウィリアムズ
出身     :アメリカ
生年月日   :1984年6月26日(35歳)
身長     :191 cm
体重     : 99 kg
出身校    :イリノイ大学
ポジション  :ポイントガード
NBAドラフト:2005年 3位 

■経歴
2005-2011:ユタ・ジャズ
2011-2015:ニュージャージー・ネッツ/ブルックリン・ネッツ
2015-2017:ダラス・マーベリックス
2017年2月 :クリーブランド・キャバリアーズ

■受賞歴
NBAオールスターゲーム出場:2010、2011、2012
オールNBAチーム2ndチーム:2008、2010
NBAオールルーキー1stチーム:2006
NBAスキルチャレンジ優勝:2008

■代表歴
アメリカ合衆国:2007-2012
金メダル:2008北京オリンピック
金メダル:2012ロンドンオリンピック

NBAでNo.1司令塔の座を争った経験豊富なポイントガード
リーダーシップ、ハンドリングスキル、パス能力、得点力、バスケットボールIQなど、ポイントガードとして必要なスキルを兼ね備え、2000年代終盤にはNBA屈指の司令塔としてアメリカ代表にも名を連ねた。
前述したモンタ・エリスとは違い、身体能力を前面に押し出すプレイスタイルではなく、緩急自在なクロスオーバーを駆使して相手を翻弄し、ピック&ロールでチームメイトを活かす正統派のプレイスタイルであり、現在35歳と年齢を重ねてもトップレベルでも通用するであろう。ポイントガードながらフィジカルが強く、ポストプレイからのオフェンスもクリエイトできるという武器もある。

Bリーグでもフィットする万能プレイヤー
Bリーグで外国籍選手と言えば、ゴリゴリのインサイドプレイヤーというイメージが大きいが、彼の場合はゲームコントロールからインサイドでのプレイまでこなせることから、万能プレイヤーとして活躍してくれそうだ。
ガードの外国籍選手はほとんどいないBリーグの中で、日本人選手とのマッチアップでは圧倒的なアドバンテージがある。しかし、富樫などスピードを武器とするプレイヤーに対応できるのかが懸念点である。
最近のプレイする姿は見れていないが、昨年「もう少しプレイするかも」とコメントしていたので、ぜひ日本で彼のプレイを見てみたい。

最後にNBAでプレイしたキャバリアーズでのハイライトゲーム


■ジョー・ジョンソン

■プロフィール
氏名     :ジョー・ジョンソン
出身     :アメリカ
生年月日   :1981年6月29日(38歳)
身長     :201 cm
体重     :107 kg
出身校    :アーカンソー大学
ポジション  :シューティングガード/スモールフォワード
NBAドラフト:2001年 10位

■経歴
2001-2002:ボストン・セルティックス
2002-2005:フェニックス・サンズ
2005-2012:アトランタ・ホークス
2012-2016:ブルックリン・ネッツ
2016    :マイアミ・ヒート
2016-2018:ユタ・ジャズ
2018    :ヒューストン・ロケッツ
2019    :デトロイト・ピストンズ

■受賞歴
NBAオールスターゲーム出場:2007~2012、2014
オールNBA3rdチーム:2010
NBAオールルーキー2ndチーム:2002

■代表歴
アメリカ合衆国:2006
銅メダル:2006世界選手権

最もNBA復帰に近いベテランクラッチシューター
正確無比なアウトサイドシュートと勝負強さを武器に2000年代から2010年代にかけ、NBAのトップスコアラーとして活躍し、NBAで17シーズンをプレイし、キャリア平均16.0得点、4.0リバウンド、3.9アシストを記録。オールスターには7回選出されている。
アメリカの3x3のプロバスケットボールリーグ「BIG3」に初参戦すると、圧倒的なオフェンス力でチームを優勝へ導きMVPを受賞。11項目の主要タイトルのうち、実に7項目でトップ5にランクインし、得点王、アシスト王などタイトルを総なめにした。その活躍が注目され、デトロイト・ピストンズと契約が発表されたが、2019年10月22日に若手のためにロスターを空けるため、チームから放出されてしまった。

Bリーグでも無双すること間違いなし
Bリーグ創設初年度にアルバルク東京に在籍していた元NBA選手のディアンテ・ギャレットもスキルフルなプレイでほぼ無双状態であったが、彼のポテンシャルを持ってしてもNBAではロスターに入れないほどNBAのレベルは高い。
ジョー・ジョンソンは38歳ではあるものの、その得点能力の高さと勝負強さは「BIG3」で証明済み。ポテンシャルとNBAで17シーズントッププレイヤーとして活躍した経験値は今までBリーグに在籍した元NBA選手の中でもNo.1である。
自身の成績に固執せず、チームプレイを重視することもでき、ディフェンスも献身的に行うことができるアンセルフィッシュなプレイはチームメイトにもいい影響を与えるであろう。

元NBAプレイヤーが集まる「BIG3」での活躍の様子



ここまで紹介してきたプレイヤーがBリーグでプレイすることはほぼないが、Jリーグのように世界が活躍するトッププレイヤーが日本に来る日もそう遠くはないと期待したい。